ダニエルクレイグ

リミットレスのダニエルクレイグのネタバレレビュー・内容・結末

リミットレス(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

スランプに陥り恋人も去ってしまった作家のエディは、元妻の弟から脳が100パーセント活性化するという薬“NZT48”を 手に入れる。薬を服用するや一晩で傑作小説を書き上げた彼は、さらにビジネス界にも進出して株取引や投資で大 成功を収める。瞬く間に財界の頂点へと駆け上がっていくエディだったが、やがて薬の副作用に苦しめられる...。

なんとなく、俳優とジャケ写に惹かれた作品だがかなりハマった。ミニシアター系のような作りながら、キャストや裏をかくよう な構成が抜群。薬“NZT48”を飲んでからの展開はワクワクで、ブラッドリー・クーパーの覚醒してく様や副作用とも取れ る幻覚や発作など、諸々目が離せない。薬の副作用や止めてると死ぬという伏線を張って、入り込ませていく作りも巧い。そしてそれらを物語るヴァーノンの姉メリッサのボロボロな姿は絶望感を与えたし、次第にどこか病的に写るブラッドリー・クーパーは名演技だった。そして、恋人のリンディ役のアビー・コーニッシュ、若い頃のシャーリーズ・セロンに似ており、 とてもキュートだった。ロバート・デ・ニーロもどこか胡散臭そうなアクのきつい役がぴったりで、ラストでは人生の悲哀さえ漂わせ、この映画に重厚感を加えていたように思う。

ストーリー構成もギャングに狙われるというアウトローな要素や恋愛要素があったのも良かった。リンディが薬を飲んで危機を乗り越えるシーンは良かったし、一緒にヤク堕ち?と思わせといてそうならないところも良い。いい感じにくだけた話になってるから観やすく、そういった要素が無かったらもっと心に残らない作品になってたかもしれない。ラストもこの手の作りで絶対痛い目に遭うだろうという、予想を裏切るハッピーエンドで全編 通して裏を欠かされた。

人間の脳のリミッターを外すという作品は、スカーレット・ヨハンソンの「ルーシー」を思い出す。薬が切れたときの鬱状態と のギャップ、薬をめぐる緊張感あるサスペンス部分など、「ルーシー」とは比較にならないほど面白かった。