るな

呪詛のるなのネタバレレビュー・内容・結末

呪詛(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

知ってた、呪いって大体理不尽なものだよねって!
日本人は呪怨やリングで学んだじゃないですか、呪いって物凄い理不尽なものだって。
経験したことないですか? チェーンメールとか。このメールを一週間以内に◯◯人に送らないと呪われる、とか。勝手に送られてきたのに! 受信するしかないのに!!!! 腹が立ちません? 私は呪怨やリングを観た時も、チェーンメールを受け取った時も怒りを感じていました。
そして、ようやくこの映画を観ていて感じた怒りの正体に気付きました。子供をかわいそうな目にあわせるなという制作側への怒りではなく、そんな馬鹿なことするからだ! という登場人物への怒りではなく、「呪い」というあまりにも身勝手なものへの怒りだと言うことに。
薄々気づいていた。祈ってくださいという彼女の言葉の裏側に隠されている呪いの伝播に。でも想像を絶する悪意に腹が立って仕方がなかった。同時に、母という存在の残酷さを知る。
ホラー映画において、父は母よりも思念が強く描かれる節がある。「仄暗い水の底から」でも母性というものが娘を災難から守った。初代リングでも、母は息子を守るため、自身の肉親すらを身代わりにした。
「呪詛」においてもその概念は覆されることなくそこにある。ただ、前に挙げた二つの作品と違うのは、初めっからこの母親は娘しか守る気がなかったということである。
ラストのシーンからわかるが、呪いの存在を知ったのは腹にその娘を宿していた時だった。ということは、あの母親はその子が生まれてから関わる人間全員道連れにするつもりだったのだ。
何と恐ろしい……
さて、多くの人が観れば観るほど呪いは薄まるらしいので沢山拡散しちゃわないとね!
るな

るな