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南洋ホテルのくりふのレビュー・感想・評価

南洋ホテル(1994年製作の映画)
3.0
【景山民夫のスカルファンタジー】

アマプラでタマタマ見っけた。映画に分類されているが、『景山民夫のダブルファンタジー』という、彼の短編小説をアニメ化した、TVスペシャルの一本らしいよ。

このページでは肩書が監督となっているがホント?一方、絵コンテは原恵一だってね。

1994年作だから、景山民夫が幸福の科学に入信して4年後か…。そして更に4年後、不自然な死を迎えるが、そんな経緯を踏まえれば、凡庸な本作も意味ありげに思えてくる。

誰でも考えつきそうな、南国と帰国を結びつけた怪談話だが、ビミョーな居心地悪さを醸している。講談社フライデー事件などを起こして煙たがられていた、景山民夫本人の居心地悪さが反映されちゃーいないか?よくこんな企画が実現したなあ、と逆に感心するのだが。

当時は、慰安婦問題をこう、直球で描けていたことにも、今ではフシギに感じるけど。

お話しには説得力がないです。ナゼ、この1994年頃にこの、怪異ラッシュ?が起こらなくてはいけなかったか?その裏づけがない。まあ、誰かさんの霊言みたいなもんだから、原作者に相応しいといえば、そうだけど。

しがらみを忘れ、単体のTVアニメとしてみれば、フツーによくできていますね。

が、私はアノ、追いかけてくる怪異の中に、景山民夫も混じっているように感じるので、しがらみ込みの、呪いのビデオの如く味わう一本だ、と思えるワケです。

<2023.12.5記>
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