ネリー

シャンカラーバラナム 不滅のメロディ(2015年リマスター版)のネリーのレビュー・感想・評価

3.7
芸術としての音楽というより、宗教としての音楽。でもトゥラシはそれ以上にシャンカラの歌声に陶酔し、シャンカラ本人を神と崇めるほど。オタクどころかストーカーレベルだったからちょっと引いたけど、衝撃のラストは自分の神に魂を燃やしきったトゥラシが羨ましいくらいだった。

古典音楽の哲学や専門用語、今より厳しかったカースト、倫理観など、そもそもインド人としてのベースがない日本人からしたらわからないこともいっぱいあったけど、人間として伝統芸能の在り方とそこに付随する価値や歴史の重さには共感や刺激を受ける。特にインドの長い歴史においては。
芸術の解釈に壁が無くなりつつある現代でも、古典音楽は過去のものではなく場所も時代も選ばず存在できるんだね。だから「不滅のメロディー」か、と納得。この作品をフィルムからリマスターした人偉い。

シャンカラや特にトゥラシはほぼ喋んなくて、友達弁護士や息子シャンカラは洪水のごとく喋り狂ってその落差と甲高さにちょっと耳が疲れたけど、弁護士もなんだかんだすごく良い人で息子もかわいくて最終的にはとても癒された
ちなみに息子役の子はリアルでは女の子なので、お顔がとてもキューティだった
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