みおこし

こわれゆく世界の中でのみおこしのレビュー・感想・評価

こわれゆく世界の中で(2006年製作の映画)
3.6
ジュード祭り。アンソニー・ミンゲラ監督の事実上の遺作とのこと、丹精込めて作り上げたのが伝わってきて、とても考えさせられる作品でした...!

ロンドンに暮らす建築家のウィルは、恋人のリヴとその娘ビーと共に暮らしている。ビーは自閉症に悩まされ、それが原因でウィルとリヴとの関係も上手くいかない。そんなある日、ウィルの事務所に強盗が入る事件が発生し...。

円満に見えるものほど、決定的な亀裂や問題を孕んでいたりする。ジュード演じるウィルは、仕事もプライベートも順風満帆なはずだったのに、うまくいかないことが重なりだんだん悪い方向へ行ってしまう...。
結果的にウィルは浮気をしてしまうんだけど、なんだか他の作品のジュードと比べて理由が正当?というか、共感してしまいました。これは浮気もするよなぁ...と。
とてもドラマチックな事件が起きるというわけではないのだけれど、日々の生活の中で誰もが感じる「生きづらさ」みたいなものがすごく丁寧に描かれていて、どんな人にでも置き換えて考えられる作品な気がしました。

ジュリエットとロビンの2人の女優さんの熱演が圧巻。リヴは自閉症の娘を抱え、うつ気味。アミラも問題児の息子が手に負えない。2人の女性の板挟みになって、どうしようもないイライラや悲しみを抱えるウィルがすごく不憫に思えました。でも、事務所の強盗に関する一連の騒動を、あんな風に終結させられる彼の器量には驚き...。たとえ同じ立場になっても自分にはできないなあ、と。リヴもなんて心の広い人なんだろう。
ラストはウィルはじめ、キャラクターたちは新たなる人生を再出発できたのかどうか、疑問は残りつつも、柔らかな希望を感じさせる何とも言えないエンディングでした。

光が印象的に使われていて、ロンドンの街並みも美しく撮られていました。こんなところに住めるなんて素敵だなぁ...。思いがけず良い作品に出逢えました。
余談ですが、Wワトソンが共演してますね。なんかいいですね。(笑)

本作のジュー度:★★★☆☆
髪型は短めでさっぱりしててとっても素敵!入浴シーンがあってニンマリ。(笑)他の作品に比べるとごく普通の男性って感じでしたが、それにしてもイケメンすぎて普通感がまったくなかったです。かっこいい...(笑)。
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