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我々の父親のjrのレビュー・感想・評価

我々の父親(2022年製作の映画)
3.5
話題になってた下手なホラーより怖すぎる作品
やっぱり何よりも怖いのは人間で
フィクションじゃなくてドキュメンタリー

DNAの検査キットで一人っ子だったはずの自分に7人も兄弟がいた
よく美談でこのDNA検査のシステムを使う人の話を聞いたことはあるけど…
まさかね
驚きなのは7人で収まらず何十人と増えて行く兄妹

精子提供の仕組みをよく知らなかったけど、本来は同じドナーからの精子提供は3回まで
同じ父親の子供が近くの地域に多数存在すると知らずに結婚してしまう可能性があるとか…なるほど
今作の問題とは関係なく、それならこのシステム利用してる時点で子供にも知らせる義務化とかしないと万が一とかもあり得るよね絶対ないとは言いきれないし…


今作では自分のルーツに気付いた時の恐怖と気持ち悪さよね
不妊治療の際に病院内の受精させる処置室に待たせてる間に…
医師が自ら出したものをそのまま子宮内に…おえ
なぜ院内の誰も気付かなかったのか…
看護師だって医師が処置の為に手に持ってる精子が誰の精子か見分けられるはずもなく…まさかそいつ自身のとか想像もせんよね
怖すぎるしキモ過ぎる



事実を知って、
鏡を見れなくなった人
家族写真を見返せなくなった人
この世に自分の存在価値を感じれなくなった人
知り合いと姉妹になった人
患者として診察を受けてた人
全員が本当の父親の子供になれなかった人たち

いくつもの家族を不幸にしたにも関わらず、医師の保身のための言動もとにかく腹が立つし
一番やりきれないのは家族だけど、肝心な裁く法律がないって言うのも悔しいよね
みんなかなり近くに住んでるしあんなに人数いると、万が一兄妹と知らずに出会って結婚してたりとかしてたら…本当にどうやって責任取るんだろ

本編の中に映し出されるDNAサイトの家系図の繋がりを表すグラフの線が、普通では見たこともないようなおびただしい数の線でそれを見てるだけでも気持ち悪かった

それぞれの当時の経緯を聞く度に人数が増えて行くし
本編の最後で…
この作成時点で判明してるだけでも100人近くって多さにびっくりだし、まだ増えてると…
さらに驚かされたのは今作の医師以外に同じように44人も自分の精子を使用した医師がいる事
フィクションであって欲しかった作品
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