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ミセス・ハリス、パリへ行くのakuruのレビュー・感想・評価

4.5
 どこかフワフワしたお正月は、大人のお伽話を見るに限る。幸せな気分になりたい大人、ぜひ見てほしい。
 おばあちゃんになっても、未亡人になっても、例え人に理不尽な扱いされても、夢を見れる人が1番強くて美しい。

 「私を見下す人に敬意は払えません」
 パリから戻ったエイダは、給料を払わない雇い主にキッパリと言い放つ。パリで学んだ、働くことの意味と雇用関係の大切さ。組織で働くことは、お互いに敬意を払ってできることである。
 30代で半ば、組織のど真ん中にいる自分を振り返ってハッとした。

 エイダは人を惹きつける。それは相手が友達でも、侯爵でも、クリスチャン・ディオールのトップモデルでも重役であろうとも、みんな同じように敬意を払ったうえで接するからだ。だからみんな、エイダが好きになる。それは国が変わっても、時代が変わっても同じ。
 私はまたひとつ、こういう人になりたいという目標ができた。

 ディオールのオートクチュールコレクションは宝石のようにキラキラしていて、目を輝かせて見入ってしまった。確かに今は、オートクチュールの時代より豊かになった。今はネットで見たことないものも買えてしまう。

 この話はおとぎ話。でも、忘れてはならないことを思い出させてくれる。エイダの少女のような笑顔は、忘れてはならないものだ。

 最後にディオールのドレスを着て踊るエイダがまぶしくて。どのティーンズムービーの女の子よりも、エイダ・ハリスが可愛い!!

 私の夢はなんだっけ。考えながら、帰り道にディオールをウインドウショッピングした。私も絶対、パリに行く。
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