Masato

スターは駐車係に恋をするのMasatoのレビュー・感想・評価

スターは駐車係に恋をする(2022年製作の映画)
4.5

不倫がバレないように、たまたまゴシップ写真に写った駐車係と人気ハリウッド女優が偽装恋愛をするコメディ。

隠れた良作!王道の格差恋愛でありラブコメの定番物語であるが、決してありきたりなロマンスではない。現代ならではのエッセンスも加えて、様々な要素を詰め込みながらも良い作品になっていた。

サマラ・ウィーヴィングが好きすぎる自分としては変哲のないラテン系のおっさんとの偽装恋愛は本当に胸がときめいてワクワクしてキュン死してしまうし、彼女の魅力が爆発していて最高だった。王道でもいつ見ても最高に笑えて楽しかったし、彼女だからより楽しく感じた。でも単なるロマンスではなく、いろんな人の関係性が無理なく終着していて良かった。

女優と駐車係のロマンスではなく、プラトニックな関係性に落ち着くのは良かった。駐車係のおっさんのことが性的に好きになるというような単純なものではなく、彼にしか持ち合わせていないものに彼女は人間的に惹かれて親友になっていくというのが非常に多幸感に溢れる展開。

また、主人公たちを取り巻く人間たちの関係性も見事。お母さんと近所のおじいさんによるラテン系とアジア系の熟年恋愛、パパラッチ同士のブロマンスなど、ここまで詰め込むかというくらいに描いていくが、どれも面白い。

見ていくと、女優と駐車係の偽装恋愛だけを描きたかったのではないということが分かってくる。アメリカならではの文化的背景とテーマもギッチギチで、ヒスパニックやコリアンコミュニティが事細かにコメディを交えて描かれていて、いわゆる白人文化的なものはほぼ描かれない。

ハリウッド女優がそのコミュニティに紛れ込むことでアメリカの移民コミュニティを強調していて、かつ物語として違和感なく描き出す。と同時に移民1世、2世への思いやコミュニティへのリスペクトを語っていくクレバーさも良かった。

いやはや、サマラ・ウィーヴィング可愛すぎるな…美しすぎる。前髪下ろしてすっぴんの時が最高、割れてる腹筋も最高。トチ狂った演技も素敵…沼にハマっていく。若い頃のニコール・キッドマンみたい。
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