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ナワリヌイのkのレビュー・感想・評価

ナワリヌイ(2022年製作の映画)
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こんなにも多くの人がプーチンにНетを突き付けてナワリヌイ氏の名前を叫んでいたのに、今は黙って花を添えることしかできなくなっているなんて、…気が遠くなるような思いがして胸が苦しかった。
プーチンがベリングキャットのことCIAの手先とか言ってて笑ってしまった。本当にこの人適当なこと言ってるんだなぁって(前から分かりきってたけど)、そういう意味で信用できるなと改めて思った。

そしてクリスト所属のベリングキャット、やってることがやっぱり凄すぎる。この会社はオープンソースからデータの収集・分析を行う民間の調査会社なんだが、それで偽造書類まみれで誰が誰かもわかんないようなロシアの諜報員とそのチームを割り出して特定できちゃうんだからえげつない。まあクリスト本人の言及にもあるようにソースを買ってる部分もあるので、オープンソースって一体どこまでなのよっていうところは個人的に疑問なんだけど、でもオープンソース、めちゃくちゃ可能性あるよ… 他の方も書いているが、電話のシーンは本当に衝撃だった。やってんだよロシアは、やっぱり

見終わった後にウクライナ戦争をロシア側の視点で解説する動画を見直して、中国人の、おそらく共産党員だった元彼が、中国は人が多くて、国土も大きくて、そういう国を国として成立させるには強い指導者と権力と法が必要なんだと言ってたことをぼんやりと思い出した。
多分ロシアもそうなんだと思う。ロシアはあまりに広くて、人もそして国境も多くて、他国から侵略されまくって国が地獄みたいになった忘れられない過去もある。だから国を守るために、強いロシアであるために、強権的にならざるを得なかった。

これはナワリヌイ氏の映画なので彼の支持者の映像がたくさん出てくるし、もちろんその数だって少なくはないんだけど、でもロシア全土で見たらプーチン支持者が圧倒的に多いっていうのは忘れちゃいけないポイントだと思う。支持率に関してはまあどこまでが本当かわからないんだけど。

あと氏の過去の活動を遡ったら結構矛盾とか ん?って思うような主義とかも見受けられたので、この映画を見て彼の全部を知った気にならないほうがいいと思った。建前で話してる部分もあると思うし。彼も政治家だからね

冒頭の部分、冗談で笑い飛ばしてたのに 本当に遺言になってしまった。夫人のユリヤが遺志を継ぐと言っているけど、これからどうなるんだろう。
なにはともあれ、惜しい人を亡くした。

あなたがロバと一緒に餌をあげていたポニー、いつの間にか成獣になっていたよ
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