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オカムロさんの消費者のレビュー・感想・評価

オカムロさん(2022年製作の映画)
2.8
・ジャンル
スラッシャー/リベンジ/アクション/ドラマ/コメディ

・あらすじ
キャンプ場を訪れた大学生の男女グループ6人
その晩、怪談に花を咲かせていると1人が皆に「オカムロ」と検索するよう促す
オカムロとは江戸時代から伝わる妖怪または怪人でその名を口にしたり聞いた者の前に姿を現し首を狩り、3回呼べば消えるのだという
グループの大半は話を信じる事は無かったが深夜になるとそれは現実となってしまう
寝ぼけて3回呼んだすずを除く全員が首を狩られ死んでしまったのだ
この怪事件は瞬く間に話題となり、配信番組で扱われた事もありオカムロの名は急速に拡散
犠牲者は増え続け遂には政府が検索を禁じる程の事態に…
そして1年後、今なお唯一生き残った罪悪感に苦しむすずは心療内科で治療を受けながらもある決断をする
オカムロへの復讐である
強い憎しみと共に彼女は家族を殺され自分と同様に復讐を誓う女性、綾子の元に弟子入り
訓練の場所を貸す寺の僧侶に見守られながら鍛錬を積んでいく
綾子と僧侶、セラピストのリョウタの支えで笑顔を取り戻していくすず
しかし友人達の命を奪ったオカムロの正体は意外な物だった…

・感想
「首を狩る妖怪」という都市伝説を元に製作されたリベンジ系スラッシャー作品
すずを訓練し自身も復讐を誓う女性、綾子を「ベイビーわるきゅーれ」のまひろ役でお馴染みの伊澤彩織が演じている
一昨年の話題作でアマプラにあったので鑑賞

正直言って期待し過ぎたかなぁというのが第一印象
製作時期がコロナ禍だった事もあり「貞子DX」の様に怪異をコロナになぞらえた内容で都市伝説界隈では名の知れた都市ボーイズの早瀬康弘、元TOCANA編集長の角由紀子、オカルト研究家の吉田悠軌という錚々たる面子を作中の配信番組に登場させたりと風刺と不謹慎の間を狙ったんだろうなぁという事は分かる
しかしそういうノリがどれもスベっていて安っぽく作品を学芸会じみた物にしてしまっていた
加えて主人公すずの師匠であり同志となる綾子を伊澤彩織が演じている事もあり全体的に阪元裕吾監督フォロワー感が強くなっているけど何せスベってるしタブー性やシュールさも弱いので劣化版感が否めない(導入なんてもろに「黄龍の村」の下位互換)
あとロマンス、裏切り、百合、サイコと要素も詰め込み過ぎ

そして本作最大の売りであろう圧倒的キル数
これも景気良く首が狩られていくのでスラッシャー好きなら無難に楽しめそうなのに肝心のゴア描写のCG感が強過ぎて…
死んでいく人間の属性や過程も風刺的にしようとしてるのは分かるけど命が軽く扱われる世界観でそれをしてもね…

終盤に迎える決戦も伊澤彩織と本物のオカムロはともかく主人公すずと偽物のアクションはアップを多用していて迫力不足
そっちがメインなんだから主演にもアクションを出来る役者を据えるべきだったんじゃないかなぁ…
ラストの撃退法も敢えてなんだろうけど呆気なさすぎだし、それに至るまでの笑いが弱いからオチとして上手く機能してなかったと思う

スラッシャー/アクションにしたいんだかドラマ/コメディにしたいんだかずっと定まっていなかったのがとにかく良くない
良く言えば好き勝手やってるんだろうけど作品としてまとまりも無くバランス感覚が悪いからノレなかったという感じ
改めて阪元裕吾監督が如何に優秀かを思い知らされた

般若心経メタルと本物のオカムロさんのビジュアルだけは良かったです
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