このレビューはネタバレを含みます
父親が死んでしまってから既に運命は決まっていたのかってくらい、どうしようもない流れで話が進んでいった感じ。そんな主人公の生き方や環境を通して伝えたいメッセージもはっきりしていたように思える。
今の日本を暗喩しているということだけではなく、憎しみはさらなる憎しみを生むってことだったり、埋めただけでは消えない過去だったり、あとは束の間で得た幸せはすぐになくなったりということも、栄えても寂れた雰囲気が拭えない村と主人公を通して鮮明に伝わってきた。
バッドエンドの中だと結構わかりやすい終わり方だったかもしれない。話の展開も読みやすく、理解もしやすかった印象。ただ、最後になぜ主人公が笑っていたのか、穴の中から聞こえてくる音はなんだったのか、考察しきれていない部分も未だ残っている。