さみわん

ヴィレッジのさみわんのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
3.8
能で使う"能面"という物は無表情に見えますが、見せ方によって様々な表情、感情を表すことができます。能面は実は左右対称ではなく目尻や口角に僅かな違いがあります。左右の面は、陰と陽と呼ばれたりします。どちらの面を見せるかで表情の違いが生まれます。また、角度によって変化も生まれます。上向きにする(照ル)と下向きににする(曇ル)の違いが様々な感情を表現します。その一方でシテ(主役)は面(オモテ)をカケル事により己自身をウラに沈め、舞台を演じる為に変身するのです。


閉塞感のあるムラで起きる出来事とドロリとした人間関係を描いた作品。

親から継承された因縁に縛られた主人公が忌み嫌うそのムラに知らず知らず取り込まれていきます。

彼がカケル能面のウラにはどんな感情が沈められていくのでしょうか?そしてムラのゴミ集積場には、ムラのどんな闇が沈められているのでしょうか。 

★観賞後に暗い気持ちになる可能性が高い映画です。
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