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失われた時の中でのmhのレビュー・感想・評価

失われた時の中で(2022年製作の映画)
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監督の坂⽥雅⼦さんがライフワークにされてるベトナム戦争枯葉剤についての取材――2022年の時点を報告するドキュメンタリー。
同じテーマの通算3作目。コンテンツとしてのパワーは、1作目から徐々に目減りしていると思うけど、その分は継続取材が補って余りある。
前作に登場していたあの子、あの親が再び登場する。
貧困と介護疲れと高齢化で生活が上向いているひとがひとりもいなかった。自分が死んだら国に任せるという発言は共産主義国家ならではのもの。
同時に「障碍者は地域と家族にとって負担となる(から堕胎する)」という認識も共産国家ゆえのものかね。このあたりは優性思想にもつながりかねないデリケートな話題で明確な答えはない。ただ、実際に苦労されているかたがいるのだった。
いい歳になった障碍者がなにもせずに家にいるという、日本における8050問題のベトナム戦争枯葉剤版みたいな家族も新たに紹介される。
健康な両親と健康な子どもが障碍者の介護に人生を費やしていた。
この話題は心にグサグサくるね。
面白かった。
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