良く出来た作品。今の時代を切り取りつつも、王道青春モノとしてもしっかりしている。切り取りつつも、とは書いたが切り取り方が素晴らしい！権力に反抗する事で起こる分断の予感。いつもそばにいてくれる、かけがえのない友がいなくなるかもしれない・・・。そんな不安を募らせながら、でも国のやっている事には納得できないから、とデモに参加する少年少女達。「自由のために戦う」なんて絵空事の話。実際は目の前の日常が徐々に締め付けられるという具合でしか国家権力も牙をむかない。その微細な違和感に敏感である事。火炎瓶持って投石するのが反抗でもデモでもない。あれは最終手段。最終手段に入ったら実質負けだと思っていい。やってる感はすごいけどね。日々発表される政府の些細な言動に毎日毎日目を光らせていないと。これがなかなかどうして大変な事で、忘れたり考えなくなる。まぁ向こうはそれが狙いだからね。
