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ウエスト・サイド物語のペインのレビュー・感想・評価

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
4.5
“アカデミー10部門制覇!”みたいな、所謂『風と共に去りぬ』的な“立派な名作感”ばかりが先行イメージとしてありすぎたため、結果として今まで見逃してきたわけですが、本来の本作は実に“掟破り”な“教科書的でない”攻めたカルト的1作であった。

マイケル・ジャクソンの『Beat It』や『Bad』のPV、デイミアン・チャゼルの『ラ・ラ・ランド』はかなり本作の影響下で作られたことは有名だが、マーティン・スコセッシの撮る犯罪映画等で駆使されているようなストリート感覚的な演出手法等も随所に垣間見られる。

当時のハリウッドミュージカルは『巴里のアメリカ人』や『踊る大紐育』等、主にスタジオ撮影で、“煌びやかなアメリカ“が切り取られていたが、本作『ウエストサイド物語』はストリートの“廃れたアメリカ”を生々しく切り取って見せている。また、ヘイズ・コード(※アメリカ合衆国の映画界で導入されていた自主規制条項)当時としては攻めたギリギリのラインの差別用語や際どい描写が沢山ある。

アニタ役のリタ・モレノはスピルバーグ版にも出ているが、とにかく踊りのキレと美脚に惚れ惚れする。
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