からかす

愛する人に伝える言葉のからかすのレビュー・感想・評価

愛する人に伝える言葉(2021年製作の映画)
4.0
いわゆる難病物は好き好んで観るジャンルではないので
あまり明るくないのだが
最近だと「50/50」や「グッバイリチャード」など
重くなりすぎないようライトに作られた映画に比べると、
本作は重心かなり低めに作られたという印象。
ユーモラスなシーンも少なからずあるのだが
結構がっつりシビアな構成。

ステージ4の癌を受け入れようと苦しむ患者
受け入れきれない患者の家族の視点はもちろん、
個人的にフレッシュと感じたのは
患者とその家族を見守る医師の視点が入ってること。
患者に死が近づいてることを知らせる苦しさ
死を安らかに迎えられるようにサポートする姿勢
患者が死んだらもちろん悲しい、でも仕事だから
一人一人にのめり込みすぎても厳しい、
この視点での映画は正直初めて観たので
なるほどなあと。
終末医療に携わる医師同士のセッションは
かなり興味深く感じた。

終盤はさすがにセンチメンタルな方向に
流れたというきらいはあるものの
全体的に高い完成度とフレッシュさがあると感じた作品。
からかす

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