Newman

愛する人に伝える言葉のNewmanのレビュー・感想・評価

愛する人に伝える言葉(2021年製作の映画)
4.2
もの凄く良かった。そしてもの凄く重たかった。クリスタル役のカトリーヌ・ドヌーヴがお母さんに見えない、が第一印象でした。膵臓ガンで余命が短いと宣告された演劇教師の息子のバンジャマン(ブノワ・マジメル)がガン患者ということで年寄り顔にしているせいなのか。違うな、ドヌーヴが年を取らずに若さを保っているからほかのみんなが追い越してしまうんだと1人で納得する。吉永小百合さんのように。深刻なそして自分の人生について考えさせられる映画です。いつかはどんな形でか誰にもやってくる話だけど、みんな先延ばしにしようとしますよね。若い役者に「時間を時間を無駄にするな」と教えているときなどに、演劇教師という役がピッタリだと分かる。「明日世界が終わるとしても私はリンゴの木を植える」なんて言葉を突然に思う。生きているってことはそういうことじゃないかと。うーん、もう十分に人生について考えているなと思う。まだ始まって25分になっていないのに。健康と思っている私でも医師からの余命が告知される場面はグサッと突き刺さる。観ることができて本当に良かった。エデ医師が良い先生過ぎる。もう彼は内科でも外科でもない死すべき運命にある患者に安らぎを与えてくれる宗教者のような、でも医師としての科学的知見に基づいている、そんなすばらしい医師でした。
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