しゅんまつもと

手のしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

(2022年製作の映画)
3.5
「おじさん」や「おんなのこ」という属性からの解放をロマンポルノで描くという枠組みが良かった。実際に濡れ場のための濡れ場みたいなシーンはひとつもなくて、生活の中のひとつの時間として切り取られているように感じた。
触ること/触られることの特に後者を意識的に描かれていたと思うのだけど、そのファーストタッチである"手"に関する魅力的なショットが少なかったなぁというのは個人的な感想です。
寄りのショットよりも、例えば駅で別れた後に森くんの後を少しだけ追いかけるさわ子を捉えた引きのショットとかの方がめちゃくちゃ魅力的だった。父親とバスを待つシーンとかもそう。

「彼女はひとり」に続いてちょっとだけ違う世界にいるように見える福永朱梨さんの佇まいもめちゃくちゃ良い。