しゅんまつもとさんの映画レビュー・感想・評価

しゅんまつもと

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逃げた女(2019年製作の映画)

4.5

むちゃくちゃ面白い。ほんとこういうものを見てしまうと、映画ってこれだけでいいとか思ってしまう。
窓枠の中と外とか、男性の背中とか、雑なズームとか、どれもすでに多くの人によって語られていることなのでそれ
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.1

流石、ホラーの教科書ジェームズ・ワンとつまらない言い方でまとめてしまいたくなる。
照明の点滅、地面を這うスモーク、扉の向こうの何もない漆黒と古典的なホラー映画の要素で楽しませつつ、物語として驚きを用意
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彼女はひとり(2018年製作の映画)

3.7

「幽霊について」の映画だと思った。それは同時に「居場所について」の映画だと思った。

気付いたら愛という磁場の外側にいた主人公が復讐の形をとりながら、改めて自分の居場所を探していくそれと同時に、その場
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エターナルズ(2021年製作の映画)

4.2

個人的にはMCU史上屈指の傑作だと思った。
好き!大好き!みたいな興奮とは別の評価軸で大事にしたい一作になった。

というのも、紀元前から現代にわたる人類史の歴史だったり創造主的なものの存在だったり、
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ひらいて(2021年製作の映画)

5.0

見てるうちに身体が溶けていてザワザワしてる感情だけが座席に残ってるような、そんな気分になった。凄すぎる。あまりに良すぎる。
2010年代に山戸結希が全国のシネコンのスクリーンに『溺れるナイフ』を映し出
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.4

とても意義深い一作だけに、これをtoxic masculinityへの自己批判だけに留めるのはちょっと勿体ないような気もする。
無論、13世紀から700年経とうが性暴力に関する認識がちっとも改められな
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空白(2021年製作の映画)

4.5

誰が善いとか誰が悪いとか、ほんっとうにどうでもいい。他人のすべてなんてわかるわけがない。

映画内でカメラが執拗に誰かの背中を追うように、わたしたちは誰かの一面ずつしか見ることができない。

自分は映
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

IMAXで見た、という体験においてはこれ以上ない時間と空間だった。上空に浮遊するハルコンネン男爵や飛び立つ機体、立ち上がる砂の波や爆撃の落下等々これは縦長のスクリーンで見なきゃまじで別物では?と思わざ>>続きを読む

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.6

理屈をつけなくてもいい根源的な恐怖がチャームのホラーに"理屈をつけなければいけない"なんて苦しすぎるんじゃ…?と思ったけど、全然そんなこともない。
超新鮮なホラー描写でもあるウォーターベッドに始まり、
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レミニセンス(2021年製作の映画)

4.0

誰かの過去を追うためだけに一方的に記憶に入り込むなんてプロットいくらなんでも既視感ありすぎる…めちゃくちゃナレーション多いし…と思って途中まで辟易としていたら、まさか過去との双方向のやりとりが訪れる瞬>>続きを読む

うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.3

青木柚、前田旺志郎の実存感が良い。
基本的に忠実に画として原作を再現していくなかで、とりわけ暴力シーンの音や動きに関しては画面の中の"人"が際立っている瞬間があった。そこに人がいると感じた。
ただ、自
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

-

言語化したいけどとても言語化できない。うう、悔しい。「寝ても覚めても」の時にも思ったこの映画のことが嫌いか好きかもわからないみたいな最強に心地よい観後感(こんな言葉はない)に襲われている。
今わかって
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モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

4.1

前作「ウインド・リバー」の雪から対になる炎。共通するのは罰を自然に委ねるということ。でもやっぱり人間の底にある生への執着のようなものをテイラー・シェリダンは描き続けていくんだろうと思わされた。
それと
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映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(2021年製作の映画)

4.7

捉えてる範囲の広さと、映画としてそれを伝える手段のバリエーションがあまりに巧いうえに品があるというか、衒いがまったくないし、尚且つ「クレヨンしんちゃん」だからこそ描けることと方法であるということに面食>>続きを読む

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.7

ラブシーンやダンスシーンがない代わりに合戦があり殺陣がありアクションがある。冒頭からそれが物語られる。だってあのトニー・レオンですよ?あのトニー・レオンがMCUに出てるんですよ?

ストーリーとしては
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オールド(2021年製作の映画)

3.5

海か、崖か、浜しかないという限定空間と「時間の流れが異常」という設定だけで100分以上保たせられるのはシャマランならではの手腕だけど、自分は整合性みたいなものは無視してもでももっと見たかったショットが>>続きを読む

わたしたち(2016年製作の映画)

4.8

なぜこうも現代韓国映画は高校生や、まして中学生にも至らないこどもたちの目線で映画を撮るのだろう。そしてなぜ、わたしたちはそれを見るのだろう。
ソンの父親が食卓で「子供は遊んで勉強してればいい」と口にす
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.7

冒頭から最悪の形で提示される通り「目玉」=「視線」の映画であるので、もう少し"見る"動作にハッとさせられたい気はした。そういう意味でのラストの切り返しからの…のシーンは鮮やかすぎて最高。
その前にしっ
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.3

これが別の監督の映画なら、頻出する"鳥"や"ネズミ"のモチーフは空と地上(もしくは地下)という上下の関係をイメージさせるだけのものにすぎないけれど、この映画を撮ったのは他の誰でもないジェームズ・ガンそ>>続きを読む

スーパー!(2010年製作の映画)

3.8

コマとコマの間も時は流れてるし、人は生きたり死んだりしてる。

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

3.9

田島列島の原作から何を抽出して映画化するのか。恐らくいろんなやり方があっただろうし、いろんな正解があったと思うけれど、冒頭のリビングのシーンからもうすでにそれが提示されていると思った。
それは恐らく物
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スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

3.3

たしかにガッタガタのシナリオで酷いもんだけど嫌いになるところはひとつもない。でも特別好きになるところもないという不思議な手触り。
致命的なのはユーモアがないところ。

回路(2000年製作の映画)

3.9

めちゃめちゃ怖い。描写の恐怖よりも空間の恐怖。
黒沢清の十八番、透明なカーテンはもちろんのこと訳わからんラボとか給水塔とか無人の駅とか団地の螺旋階段とか。
個人的に一番怖かったのは図書館で加藤晴彦が出
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.3

おおまかには下に書いたことと同じ。
例えばファスト映画とか、一向に戻らない自粛ムードとか、よりこの映画のテーマを浮き彫りにするような世界に良くも悪くも近づいている現実。でも、だからこそ、未来をあきらめ
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

5.0

あまりにも凄すぎて放心状態なので細かいことは後で。問答無用の今年ベスト更新です。

自分が映画のなかに見たいものが全部入ってた。
身体的躍動と知恵と連帯と嘘と希望と予感。これがあれば良い。というかこれ
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.0

いつだって手に入らないものが欲しくなるし、此処じゃない何処かに行きたい。でも手に入ったときにはもういらなくて、辿り着いたときには此処じゃない、の連続。そういう人間の矛盾した心理が自分は好きなんだなぁと>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.4

良いと思ったり好きになる部分もあったけど、最終的にはどうしても拭いきれない違和感が残ってしまった。主に2つ。

ひとつめは結局、少女対世界の構図から抜け出せないところ。こんなん舞台が変わったナウシカじ
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君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

3.4

物語に関わってこなかった大人が登場する少ないポイントに注目してみたい。その転換点にも。
個人的にはすべてがある、という感じがどうしても窮屈に思えてしまった。

花様年華(2000年製作の映画)

4.1

壁、鏡、演技、繰り返し、雨、時間のジャンプ、全部が映画だった。テクニックとしての巧さばかりに目がいってしまいそうだけど、「繋がりそうで繋がらない」みたいな部分こそがすべてなのかもとか思ったり。何度も見>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.5

詳しいことは後から書きます。
その前にこれだけは言わせてほしい。
これを見てもなお酔っ払ってる人も悪いとか書いたり思ったりする人がいるんだとしたら、そういう風にしか考えられない自分の思考を恥じた方がい
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ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.7

これがエンドゲーム後、なんの気負いも気兼ねもなく見れた世界線があった、とどうしても戻らない時間を想像してしまう。でもすっかり世界は変わってしまった。
たったの1年かもしれないけれど映画を語る上で、特に
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ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

3.6

最高に楽しくて面白いしあらゆるところに気が配られているとは思うんだけど、だったらやっぱり別の形の家族だって提示してほしいとも思ったり。
あえてやらなかったのかな?ってくらいにはそんなことはこの作品の作
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.9

身体への愛で溢れてた。動く身体、動いてしまう身体。
その「からだ」から見えない繋がりの映画になっていくのに恐ろしさすら覚える。楽器のコードレスは線を見えなくするけれど確かにあなたとわたしの距離を近づけ
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Arc アーク(2021年製作の映画)

4.8

自分でもなんでかよくわからないけど驚くくらい涙してしまった。身体が震えてくるみたいな感覚。なんでだろう。本当に説明ができない。

死からの解放のための不老不死が時間や生き方やあなたと私の関係を縛る。本
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ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)

4.0

びっくりするくらい「ガーディアンズオブザギャラクシー」だったけどむちゃくちゃ良い。活劇としてもひたすら楽しい。

RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.8

大写しになるトマトのカットあたりでこの映画は間違いないと思った。
それに象徴されるように、何を映して(あるいは何を映さないで)何を語るのか、そしてどんな映画にするのか、という点においてとてもスマート。
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