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百合の雨音のryotaのネタバレレビュー・内容・結末

百合の雨音(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

リブートの3作目は前2作と打って変わって、まあきれいな仕上がりだこと。金子監督は元々ロマンポルノ撮っていたこともあってか、その演出は昔のそれと変わらず、女性賛美にも感じる丁寧さです。スローモーションやオーバーラップ、ズームインなど、クラシカルな演出が全編に渡って展開され、ただただ、綺麗に美しい作品に仕上げようという空気が満載です。

正直、それ以外はさほど真新しいこともなく、話もとてもシンプルです。メインの二人を素敵に見せる分、関係を持つ編集長のオヤジは美とはかけ離れたおじさんだし、草食系っぽい男子は途中居なくなっちゃうので笑、ほとんどこの二人(とオヤジ)の展開です。ああ、そういうロマンポルノにしたんだなあってわかると、それはそれで、キレイな裸体を楽しもうと納得でしたが、流石にこれで90分はちょっと長いかなと。「宇能鴻一郎の濡れて打つ」(金子修介監督作品)は確か60分未満だったぞ。まあタイプは違いますが、私的には長いロマンポルノ作品はちょっと苦手です。90分が長いってのもちょっと乱暴かしら。

主演の二人、とても良かったです。雰囲気あるし、裸体を惜しげもなく晒して、体当たりのお芝居です。ストーリーテリングがとてもうまいベテラン金子修介監督にしては、女子高校生時代のトラウマはちょっとわかりにくかった(キモイ、だけではね)のが残念。でも、フォトジェニックな作品なのだと言われればもちろんOKです。

個人的な好みで言えば、LGBTでもなんでも、理由や動悸なんてどうでもよくて、ただ肉体を欲しがるでもいい、そんな映画が観たかったです。コンプラかなんかわかりませんが、いろいろと理由つけたり、周りの嫉妬みたいなことなんか気にせずに、ドロドロの愛欲に塗れたレズビアン映画を観てみたいものです(アブナイ発言?)。
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