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からかい上手の高木さんのryotaのネタバレレビュー・内容・結末

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

本当に残念でたまりません。というか、完全に私の勘違いで観に行ってしまったのがそもそもの失敗。この前観た「デデデデ」よりはるかに劇場内は観客で溢れかえっていて、 期待度が見て取れましたが、とにかく私としては複雑な心境で劇場を後にしました。

最初に言っておきますが、この作品の中学生版は最近観たドラマの中でも極端に好きな作品で、こんなにもピュアで綺麗で、明るいドラマはなかなかお目にかかれないと思いました。中学生と言う年齢設定がまさにリアルさを増していて、毎回毎回教室だったり帰り道だったり、いろいろなところでの2人の会話があまりにも可愛くて、ピュアで、懐かしくもあり、ノスタルジックでたまらなく好きでした。そして映画版はその10年後は描くとなるとどうしても観たくなってしまいます。ただ思ったような変な方向には全く行っていなくて、というか10年経っても全く同じことをまたやっていると言う流れ。ただこれが10年経った後の設定となってくると、ずいぶんと印象が違っていて、いや印象は同じなのかもしれませんが、こちら側の受け取り方がずいぶん変わってしまいます。男の子は教職につき女の子は教育実習生として現れます。そしてまたまた同じような2人の関係が続き、最終的に彼がプロポーズをすると言う流れで終わっていきます。うーん、これって想像の中でのことにしたかったところなんですよねえ。こういうのって空想が楽しいんです。ドラマは、ピュアな中学生2人は将来どんな大人になるんだろうとか、2人はいつしか恋人同士になり結婚するんだろうかとかそういったことを思い巡らせながら、ドラマが終わるというのがとても良かったんです。なので現実を見てしまった大人感と、相変わらずピュアな二人のわかるようで納得できない、そういった展開がモヤモヤさせます。自分の気持ちを伝えることの大切さとか、そういったことが丁寧に描かれていますが、それこそが中学時代に思わせで描かれているようなやり方が個人的に好きだったんです。永野芽郁と高橋文哉のキャスティングはとてもマッチしてるとは思いますが、どうしたって中学生の感覚の恋愛では違和感があります。そもそも中学生ではないし、普通に人生を生きてきて10年も経ってしまったらそれなりの経験がつくと思うんですよね。それが全くなしに中学生のままの関係というのがどうにもしっくりきません。もちろん10年間ほとんど会うこともなく、10年ぶりの再会ということで、時間が止まったと言う認識はあるかもしれませんが、それにしても自分的には妙な現実を見せられているようで、しかも予想通りになっていて、ちょっとショックでした。

この監督の作品ってどうも自分には合わなくて、毎回いいと思ったことがありません。まぁ単純に自分には合わないということなのかもしれません。20代30代の群像劇や恋愛模様を描く旗手と言われているかもしれませんが、映画ならではの興奮というか、ワクワク感というか、そういったものがいつもあまり感じることなく、淡々と普通に終わっていくのがどうにも自分的にあわなくて。ただドラマ版に関してはそこが良い方向に左右して、むしろ20分ちょっとの時間の中でさほどの展開もないまま終わっていくところが、中学生のちょっとした日常を描くにはちょうどよく作用してたと思いました。中学生時代なんてそもそもドラマなんてそんなにないわけで、でもそんな中に少しだけの心の機微を見つけるみたいなそういったところはとても良かった気がします。でもさすがに映画の大きなスクリーンで観るとなると、そうもいかないのかなあと言う個人的な感想です。まぁとにかくすごく期待して、期待通りではあったんですけれども、あーやっぱり違ったなと言うそういった感じ。まあ、少し予想してたけどね。
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