Jun潤

夜明けまでバス停でのJun潤のレビュー・感想・評価

夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)
2.9
2022.10.30

ポスターを見て気になった作品。
ビジュアルだけだと夜中にバス停で悩むユニークな人間ドラマの印象を受けましたが、予告を見ると何やらサスペンスの予感。
コロナ禍を土台にしているということもあって、こういう作品は大歓迎です。

居酒屋のバイトとして働く傍ら、自作のアクセサリー販売もしている三知子は、元夫に押し付けられた借金の返済や、関係が上手くいっていない親の介護費用など、資金繰りに苦労していた。
そしてコロナ禍の煽りを受け、店は休業、バイトもクビになり、社員寮も追い出されてしまう。
職を探しながらホームレスとして生活する中で世間への不満は溜まっていき、かつて高度成長期に爆弾を作っていたホームレス“バクダン”と出会う。

うーん、、、ちょっと要素多すぎ&散らかりすぎだったかなーと。
コロナ関係なく問題が多いバイト先、コロナによって職と家を失う人、声の大きい人に動かされる人、会社へのリベンジ、左翼向きのプロパガンダ、他人に頼れない人のドラマと、どれか一つに絞っていたらまだ観応えがあったかもしれないのに、ゴチャゴチャしていた印象が強めに残りました。
あとはてっきりサスペンス要素が早い段階で出てくるものと思っていたので、導入が丁寧というかゆっくりしてんなーと、勢いが足りていなかった気がしていたら、まさかの大半が導入でしたというオチ。

上述の要素や登場人物についても使い捨て感が強く、一応の繋がりはあっても作品の中でまとまっている感じもなく、いくつかは散らかしっぱなしで終わっていた気がします。

唐突な政治批判には驚きましたが、話の規模が大きかったり小さかったりと、作品のテーマを大きく見せたいのかどうかが伝わって来ないままだったので、観ている側としてどういう姿勢でいればいいのか分からず終いでした。

三浦貴大の演技もクズの小物感が出ていてよかったものの、分かりやすいキャラでなくても演じられる実力があると思っている分、物足りなさの方が強く残ってしまった印象です。
Jun潤

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