クズリ

夜明けまでバス停でのクズリのレビュー・感想・評価

夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)
3.6
実際に幡ヶ谷であったホームレス女性殺人事件がもとになっているので、想像してたのは社会問題を鋭く指摘する問題作!みたいなものだったんだけど、実際に観るとびっくりする方向に話が進んでいってそれはそれで問題作で面白かった。WOWOWよく放送した!こういう作品はチャンネルNECOでこそっと放送されることが多いので。いやーこれ観れてよかった
そうそうクルーズ船から始まったわ、コロナ。で、あのおかしなフェイスカバーとかも数年たってこの作品見たらなんのことやらということもありそう。
路頭に迷ってさまよっている街に「TOKYO2020」とオリンピックの垂れ幕がはためくとか、食糧配布所の横にオリンピックのカウントダウンが出てるとか当時の政治を象徴。そうそうコロナで飲食店が閑散としたあとにGoToEATとかいう阿呆な政策が行われてたなあ。これって数年後には解説付きで見ないといけないものになりそう。「もりかけさくら」とかさらっと言われても今だってわかんない人いそうだし。
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「当時」と書いたけど、今も同じか。能登半島地震の復旧(復興ではない、そんなんまだまだ先)はまだまだできてないのに万博万博とか言っているから。
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マネージャー役は山口百恵さんの息子さん。めっちゃいけすかない感ばりばり出していていいっすね。一見杉村太蔵に似てるところもいけすかない感の要因かと。
さらにはあのおばちゃんってルビーモレノなのっていう驚きも。
後半はもう柄本明力。ラスト最高でした。
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結論としては世の中で一番死んでほしいのは元々が薄っぺらいので、SNSの薄っぺらい情報に簡単に扇動されて他人を排除しようとする輩だなあ。いいように為政者に使われていることにも気づかない。
実際の事件だとホームレスを殺した上に自殺という最低のヤツだったけど。
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