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窓辺にてのcoroのネタバレレビュー・内容・結末

窓辺にて(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

終始会話劇なのに退屈するどころか吸い込まれる143分。

愛情の基準?とは何なのか。
浮気されたら怒る?ショックを受ける?
勿論そういう感情はあるだろうが、無いからといって愛情も無いということになるのだろうか。

世に当たり前とされている事や、画一的なお決まりゴトを疑ってみる、という今泉監督の言葉が随所に散りばめられた映画だった。

不倫しかり。
やめる、やめない、
手に入れる、手放す、どれもそうだ。

こうしたからこう考えているだろう、
こうだからこう思うべき…
今の世の中には決まり事が多すぎて、
人の感情まで決めてかかって窮屈すぎる。

主人公市川には、人には理解されないかもしれない、本人も気付いていないかもしれないが、恋愛よりもっと包括した愛情があるように思った。
それは妻が求める愛情の形とは違うので別れてあげるのは正解なのかもしれないが。

ただ、もっと歳を重ねた2人なら、また違う結末になったような気もする。

浮気に早々に気付くほど妻をよく見ていて、仕事の話を同じレベルで話せたり、優しく穏やかで、しかも顔もスタイルも良い思慮深い旦那さん。
愛情は見えにくくても、確かにあるのだし。


稲垣吾郎にアテガキだったそうだが、
似て非なる役を演じるのは逆に大変そうだ。
ものすごく高度な事をやりきって成立させているように思う。
他キャストも皆演技には見えず生きていて、非常に魅力的だった。

映画館で上映されている間に何回か観直したい。
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