SANKOU

ゾン100 ゾンビになるまでにしたい100のことのSANKOUのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

朝起きたらゾンビだらけの世界だったというのはあまりに現実感がないが、少し前までは世界中がコロナ禍という非常事態だった。
そしてそんな緊急事態にも生きがいを見つけられた人たちは少なからず存在した。
主人公のアキラはゾンビだらけの世界を見てこう思う。
「もう会社に行かなくてもいいのだ」と。
こうして彼の悠々自適な生活が始まる。
正直、彼が勤めることになったブラック企業の描写はまったく笑い事ではない。
未だに洗脳のような形で社員を拘束し続ける会社はなくならない。
お前は無能なのだと、刃向かえないほどまでに打ちのめすような。
アキラは絶望的な世界で、自分がゾンビになるまでにやりたいことを100個見つけ出そうとする。
好きな人に想いを伝えること、喧嘩別れした親友に謝ること、キャンピングカーを運転すること、CAとコンパすることなどなど。
アキラは仲直りしたケンチョや孤高の少女シズカらと共に、安全であるという水族館を目指す。
アキラには新たに人々を守るヒーローになるという目標が出来た。
が、辿り着いた水族館ではアキラが働いていたブラック企業の上司小杉たちが、会社と同じように避難民をこき使っていた。
そして蛇に睨まれた蛙のようにアキラもまた小杉の言いなりになってしまう。
シズカは彼に問いかける。
本当にやりたいことは何なのかと。
脚が生えて陸地を走り回るゾンビザメが登場したりと、後半はむちゃくちゃな展開が続く。
この映画に登場するゾンビは音には敏感だが、あまり目は良くないようだ。
だから何となく緊張感に欠けるところもある。
よくアキラたちも生き残れたものだ。
色々とツッコミどころは満載だが、世界がどれだけ壊滅しようが人は希望を持って生きていくことは出来るというメッセージは伝わってきた。
そして平常時でさえ、明日も同じように平穏な生活が続くという保証はない。
だからいつだって後悔のないように精一杯生きなければいけない。
後悔する生き方を選ぶくらいなら、ゾンビに噛まれた方がマシだ。
SANKOU

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