ザ・メニューのSENTIMENTのネタバレレビュー・内容・結末

シェフやべぇ。
これがサイコパスってやつなんすかね？
それとも天才の行く末？

法を犯す者だけじゃなく、芸術の冒涜すら死を伴う罪と判断し実行する権利も何もこのシェフにはないと思いますがねぇ。
そのシェフに「全員死ぬ」というメニューの完成まで付き合うスタッフもスタッフだし、
後ろめたさがあるとはいえ、死ぬ気で逃げようともしないお客もお客。
まるで最初からメニューを完成させられるメンバーだけで構成されているような。
付き添い予定じゃなかたマーゴがその計画を邪魔する存在だったようだが、計画通りに物事が進まない時のシェフやスタッフのやり口がそもそも崇高なメニューじゃなくない？

とはいえ料理のヴィジュアルや、
ストーリー展開など、結構なレベルで好み。
コースメニューとはいえ、各々の生き抜くための抗いが弱かったのが少々リアリティに欠けるのでは？と思ったが、現実としてそのシチュエーションと向き合った時の、ある程度余裕のある層の人間はこんなものだろうか？
まるで軍隊のようなスタッフ陣も、追求レベルの高いお店だと、このような精神状態まで追い込まれるのだろうか？

泥臭い人間臭さというリアリティが欠落しているようにも思えたが、メニューを完成させたいという思いが、このエンディングを迎え入れられたと思い込もう。

人が自殺したりだとか、
指が切り落とされたりだとかを
演出だと思ってるのかどうかもわからない雰囲気で料理を味わうことに没頭するタイラーもどんだけ？と思わされたが、
あのような頭が正常に回らないであろう場面でシェフであること、お店であることを利用したアイディアでお店から出る作戦を思いつき即座に実行しえたマーゴもとんでもない奴のような気がする。

結果、
ぶっ飛んだ人たちが、
ぶっ飛んだ思考のもと、
ぶっ飛んだメニューを味わい逝く、
それをさも芸術に見せかけるような
映画でしか表現出来ないストーリー。

芸術は爆発だとはよく言ったものだ。