ヒカル

ザ・メニューのヒカルのレビュー・感想・評価

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
3.4
アマプラで鑑賞。
 シェフが出てくるサスペンス・スリラーといえばグリーナウェイの佳作「コックと泥棒、その妻と愛人」がありますが本作も狂気に取り憑かれた料理人の復讐の場へと偶然連れられてきてしまった女性のお話。

 一泊宿泊付きの夕食に二十万円以上も出せるスノッブな資産家・成金・料理評論家、落ち目のハリウッドスター達に混ざって一人だけ浮いてる低所得女性の下町っぽい歯に衣着せぬ物言いが痛快で楽しかったです。
 チーズバーガーのくだりは非常に感動しました。あのシーンがなければこの映画自体が駄目になっていた気がします。くしゃくしゃのお札を映すのもよかったです。お金の価値、食事の価値というものをあそこできちんと語ってみせたことで映画全体が引き締まりました。

 構成、配役、演出、映像、どれも非常に高いレベルで意識的に練り上げられ、この映画自体がとても素晴らしい料理のように感じられました。楽しい映画でした。
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