原作は未読。
綾野剛サンのまたちょっと違った魅力を楽しめる成田狂児というキャラクター。カラオケを通して怖そうなヤクザたちの心の底を見せている。中学生相手に必死にでも愛情たっぷりの狂児の魅力が満載。
悩める合唱部部長の聡実クンは絶妙なキャラで絡んでくる。そっけないながらも的確にヤクザに意見し、次第に狂児との気持ちのつながりの変化に引き込まれる。
聡実クン、いいですねー。ヤクザと絡む素朴な中学生がとても自然に存在する。彼の演技で、真面目な青春映画の側面も並行して映し出されている。
映画鑑賞の部室にこもって、現実を避ける彼。巻き戻しのできないテープ、進むしかない自分を反映しているのか。でも、進んでいるね。
綾野さんも歌下手の演技もさすが。必死に歌う姿が愛らしい。
最後の必死の聡実クンの歌は感動。
エンドロールでのチラ見せが心地よい最後を演出。
ヤクザと青春映画を絡めたコメディ要素も満載だけど、味わい深い作品。
