ShinichiAndo

カラオケ行こ!のShinichiAndoのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
5.0
とても面白かった! 間の取り方がとにかく絶妙で、何度も声を出して笑いつつ、クライマックスではしっかり泣かされて、エンターテイメントとしての満足度&多幸感が、ここ最近の実写の邦画作品では記憶にないくらい最高でした。次は応援上映で一緒に盛り上がりたい!

カラオケでおなじみの(間奏 約26秒)というテキストのシュールな面白さと、前奏や間奏の手持ち無沙汰な間が、撮影や編集に巧みに生かされていて、カラオケの楽しさを伝える“カラオケ映画”としても素晴らしかった。まさに映画を観た後に「カラオケ行こ!」って気分になるんです。

そして、そのカラオケで歌われる曲が「紅」をはじめ全てが実際の過去のヒット曲だったり、“映画を見る部”で観ている作品も本物のクラシック作品だったり、連絡アプリがLINEだったり、(洋画では当たり前だけど)現実と同じだからこそ説得力があって笑えるし泣けるんですよね。

また、学校のシーンでは、「リンダ・リンダ・リンダ」や「天然コケッコー」の山下敦弘監督ならではの、ティーネイジャーの若さと恥ずかしさが全身から弾け出るような青春感がたまらなかった。聡実くんがいない間の、合唱部の和田くんと副部長の女の子を描いたスピンオフも観たい。

さらに、原作にはなかった“映画を見る部”のシーンで、VHSのビデオデッキが巻き戻しができないという設定も青春のメタファーみたいで良かった。また、青春映画のお約束とも言える全力疾走シーンも、文字通り全力疾走している感じが眩しかった!
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