まや

カラオケ行こ!のまやのネタバレレビュー・内容・結末

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

観に行くのか迷っていたが評判が良かったので鑑賞。最高でした。もう乃木さんの脚本は本当に信頼できるなと率直に思った。

途中、くどいというか丁寧すぎるなと言う感じがしたけど、最後のさとみくんの紅のシーンで全部そんなのどうでも良くなった。原作は絶対読もうと思っているがきっと別物として作られているような気がした。よりメッセージ性をもたせていたように感じた。

繰り返されるもう戻れないと言う言葉やビデオテープ。さとみくんが生きているこの時間はもう戻ることができない。そんな学生の最後の部活での合唱祭。そんな大事な時期に、声変わりを迎え、上手く歌えない前提を知っての紅。

最後、本当に声が出しづらそうで本当に声変わりしているもう2度と聞けないその一瞬の連続のカラオケシーン。本当にリアルと物語が混ざり合っていて感動した。

その瞬間って本当にもう2度とこないのだ。そのことって繰り返される日々の中で忘れてしまいがちだけど、このシーンでもう2度とないのだと強く思わされる。繰り返し思い出されることはできても戻ることができないのだなと、一瞬を、今を大事にしなければという気持ちになった。

紅の歌詞ももう2度も戻れない人への悲しさの歌だし、全てがそこに繋がっていくのが素晴らしかった。紅のシーンで初めてさとみくんがソロで歌うのも射抜かれるから良い。

伏線に関しても全て回収するし、説明するところとしないところが絶妙で、わかりやすく物語が運ばれているのもさすが。なによりもテーマがたくさん、さらっと盛り込まれているのもじんわり来て良かった。
まや

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