ほんちゃん

FALL/フォールのほんちゃんのレビュー・感想・評価

FALL/フォール(2022年製作の映画)
4.1
ダンを亡くした後、立ち直る為に友人と挑戦した電波塔。そこに取り残された状況で友人2人の関係性をリアルに描いた点が良かった。死に直面した状況下で、友情や嫉妬、自我等の感情をベッキーを中心に展開され人間の根底の部分を垣間見えた。精神的な恐怖に加え、同時に物理的な時間も流れており、奪われる体力や生命を脅かす気候変動、普段人間が頼り切っている電子機器すら使用できない状況になり、人間が生きるために不可欠な要素が地上600mの上空で満たされない恐怖は、この映画でしか味わえない作品だと感じた。さらに、そのような精神的な状況において、様々な工夫を凝らし適応していった2人の生命力の強さ、人間らしさが光っていた。精神や身体的な適応は、なんと幻覚だった。幻覚の中で、様々状況に適応し、それを乗り越えて父親に会うシーンは、緊迫感から開放された達成感と安堵を感じ、十二分に満足できる内容であった。
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