MasaichiYaguchi

みんな生きている ~二つ目の誕生日~のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.9
俳優の樋口大悟さんが骨髄移植で命を助けられた自身の経験をもとに、企画・原案・主演を務めて映画化した本作は、白血病とは如何なる病気なのか、その治療法としての骨髄移植とは、骨髄を提供するドナーの存在とは何かを、リアルに、そして感動的に描いていく。
稽古の最中に倒れて病院に運ばれた空手講師の桧山大介は、予想だにしていなかった白血病との診断を受ける。
闘病により体力は衰え、その事による投げ遣りな振る舞いもあって空手も恋人も失ってしまう。
助かる為には骨髄移植しかないと医師に告げられるが、適合するドナーはなかなか見つからない。
そんな中、新潟県糸魚川に住む桜井美智子という女性が適合すると判明するが、彼女の家族はリスクを考え、幼子がいる彼女がドナーになることに反対していた。
この骨髄移植とは、血液を作る造血細胞を他人のものと入れ替えると言う治療法だが、白血球の型が合わなければ移植は出来ない。
そして仮に適合したとしても、ドナーになることを了承してもらわないと成り立たない。
生涯でがんに罹患する確率は、男性65.0%、女性50.2%で、死亡する確率は、男性26.7%、女性17.9%となっていて、決して特殊な病気ではなく、誰でも罹患する可能性がある。
だから誰でもが主人公と同じ境遇になり得るということと、善意のみで臨むドナーの存在が如何に尊いのかを、本作を通して痛感します。