MasaichiYaguchi

蛇の道のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

蛇の道(2024年製作の映画)
3.7
黒沢清監督が柴咲コウさんを主演に迎え、1998年に手がけた同名映画をフランスに舞台を移してセルフリメイクしたリベンジサスペンスは、娘を殺された父親と彼に手を貸す精神科医が繰り広げる徹底した復讐の行方を、全編フランスロケ&フランス語で描き出し、更にスリリングに展開する。
8歳の愛娘を何者かに惨殺された父親アルベール・バシュレは、偶然知り合った精神科医・新島小夜子の助けを借りながら、犯人を突き止めて復讐を果たすべく殺意を燃やしていた。
やがて2人はとある財団の関係者たちを拉致し、次第に真相が明らかになっていく。
1998年版と本作では、東京からフランス・パリに舞台が移っただけでなく、男性2人だった主人公の1人は現地在住の日本人の心療内科医の女性となっている。
そのヒロイン・新島小夜子を演じるのが柴咲コウさんだが、彼女は心の内を見せないミステリアスな存在だ。
自宅に戻ると、離れて暮らす夫・宗一郎とテレビ電話を繋ぐが、その会話もすれ違うばかり。
コンピュータの画面越しに、魂を別の場所に置いてきたかのような妻に働きかける夫を青木崇高さんが演じている。
果たして恩讐の果てに彼らは何を見出だし、どのような結末を迎えるのか?