イコライザーシリーズここにきて覚醒。たぶん最終作。ラストを見ればこれがFINALで問題ないと思える。
冒頭からテイストがまるで違う。過去作ではマジメな演出と脚本のガバガバさがミスマッチだったが今回はグロとホラーテイストに振り切ったことでアクション映画としてのグレードが跳ね上がった。
今回は完全に流れ者として村に入り住人たちと打ち解けていって、裏で地域のマフィアをブッ潰すという単純なプロットなのもよかった。冒頭のキレキレアクションのあとイコライザーシリーズ初のリハビリパートに入るのだがそこの描写がまたいい。サム・ペキンパーの珍作「キラー・エリート」唯一の美点を思い出す。イタリアの地でstrangerとして村人を助ける無敵の主人公、3作目にしてとうとう西部劇をやり切りましたね。2作目でなくした寓話性を完全に取り戻し、過去最短上映時間でド派手に魅せる。半端さが削ぎ落とされて実に楽しかった。野暮ったさがない。
問題としては、アメリカの警察機関のヤバさについては問題視しない、はじめは横柄だが年長男性の言うことを聞いて成果を得る若い女性という構図、など若干の古臭さはまだある。これらを差し引いてもなお本作はまだかなり面白いと思う。
追記 過去2作では因果が時系列順に並べられるばかりだったが本作は「そもそも最初に乗り込んでたのはなぜ?」をラスト軽やかに回収していく良さがあった。