風来坊

イコライザー THE FINALの風来坊のレビュー・感想・評価

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
4.0
よくある邦題の勇み足で原題はファイナルなんて付いて無く、単にイコライザー3なので興行収入次第では続編もあると思います。
アントワーン・フークア監督も終わりを明確に発言した訳でもありませんし…。
製作のトッド・ブラックさんもヒットしている以上は、期待に応えるのが仕事みたいな発言をしているらしいですし…。

冒頭、子ども相手だから油断したのは分かるけれど、完璧なマッコールさんにしてはあり得ないミスでちょっと萎えました…。
前2作とは違い抑えた雰囲気で重厚感を重視した印象。イタリアのロケーションが上質な重厚さと渋さを醸し出していました。
その暗さと重さが悪党の非道さを際立たせていて良かった。

マッコールと地元の人との触れ合いが後半のマフィアへの怒りへと変わるのはこのシリーズの真骨頂ですが、今回は人との触れ合いからマッコールがお助けするまでの溜めが長い。その分の爆発力はあるものの、前2作に比べるとちょっとテンポが遅いように感じます。

売れない服や帽子を押し売りされる場面とそれをからかわれるシーンは大好きです。
殺した相手を暗い目で見つめるマッコールの性癖や「お前は誰だ」というシリーズのお決まりも健在。
今後の展開への布石かも知れませんが、CIAとの絡みは多くて削った方がスッキリしたかも…。しかし、なるほど彼女を選んだ理由はそうでしたか。
このCIAの女性役はダコタ・ファニングさんで名作「マイ・ボディガード」を思い出させる配役。すっかり大人になったなぁ(笑)

皮肉が効いた死に方ではあるものの、ラスボスとの戦いと死に方はちょっと呆気なかったです。シリーズ随一の重厚さな反面、派手さと痛快さは下がったので好みは分かれるかも。やはり個人的には1作目が1番好きですが、本作もなかなか楽しめました。
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