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丹下左膳餘話 百萬兩の壺のAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)
4.5

日活110周記念特集上映
NIKKATSU WORLD SELECTIONで『丹下左膳余話 百萬両の壺』鑑賞。

監督の山中貞雄は、戦前の京都映画界に彗星のごとくデビューし、22歳で天才とよばれた映画監督。
東京に移り、活躍が期待されたが招集、28歳で戦病死した。作品のほとんどが散失して現存するのは3本のみで本作はその中の一本。

百萬両の壺は、ある種のマクガフィンで金に目がくらんだ者たちの人情噺だった。矢場の女将を演じる新橋喜代三さんの魅力にやられる。低い声でまくしたてたかと思えば三味線で朗々と唄いあげる美声。最高のツンデレ女将。

矢場の女将お藤、居候の丹下左膳、そして迎え入れたみなし子の安防。それぞれ血の繋がりはないが根底に情があり繋がる疑似家族。
落語みたいに笑いながらも、観ていて心の奥が暖かくなった。
他のお客さんは70代のお爺さんらが多かったが、鑑賞後ニコニコ嬉しそうだったなぁ。
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