総合芸術の中の視覚芸術としての完成度、
色彩設計の革新性、
それに付随する感情の訴求力が、
未知の感覚体験を提供してくれる作品だ。
ワンカットワンカットが、
絵画的な美しさと強烈な色彩感覚に満ちており、
ストーリーやセリフがこちらの意識の中に浸透してくるのは、
まるで後から押し寄せる波のようになってしまう。
視覚が支配する世界に身を委ねるあまり、
物語そのものが頭に入ってこないという感覚さえ覚える。
色彩に関しては、まさに圧倒的だ。
背景の一片、一線、一色が、
感覚的な美を引き出すために緻密に設計された色合いが、
画面全体に鮮やかな調和をもたらしている。
自分のような古い脳OS、旧式メモリの持ち主には、
どうしてもその情報量を処理するのが困難に感じる。
これほどまでに凝縮された視覚情報と色彩の渦中で、
言葉やセリフがどこか二義的に扱われてしまうのは、
決して悪いことではない。
それどころか、この映画は、
まさに観る者に新たな知覚の回路を開かせるような挑戦的な側面を持っている。
もしかしたら、こうした作品を幼少期から観て育った人々は、
視覚的感受性が異なる形で鍛えられ、
【ニュータイプ】のシナプスの回路が育まれているのかもしれない。
(ジンバ・ラルの教え、じいやの口癖を引き継いでいるのか、、)
その回路がどこかで脳内に確かな変化をもたらし、
情報や色、音の処理がより繊細に、
またはダイナミックに行われるようになることを、
こうした作品に触れることで、
その変化の兆しをわずかにでも感じ取れる瞬間があるのかもしれない。
それは人類全体の、、、、