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劇場版モノノ怪 唐傘のバナバナのレビュー・感想・評価

劇場版モノノ怪 唐傘(2024年製作の映画)
3.2
まず最初に言っておきたいことは、映像はきれいだけれど極彩色豊かで、クライマックスの映像の動きも早いので、てんかん発作をお持ちの方が観るのは危ないかもしれません。

私はテレビアニメのシリーズは観たことがなく、初『モノノ怪』です。
映画の舞台は大奥。
大奥に新米女中アサとカメが入ってくる。
アサは働き者で才色兼備な優秀な娘。一方カメは、いつか御中臈になれることを夢見るお調子者。二人は気が合い、仲良くなるが、どんどん二人の差は開くばかり。
大奥では2カ月前に、お世継ぎ様が生まれたお祝いに「大餅曳」の儀式を執り行う筈だったが、なんらかの事情で延期になっていた。
しかし、いつまでも延期のままという訳にもいかず、仕切り直すことになり準備に追われていたが、また怪異が起こる…という展開。

主人公の薬売りが人間なのか神なのか、最後まで観ても不明のままだったが“退魔の剣”がモノノ怪を斬るためには、「形(かたち)」「真(まこと)」「理(ことわり)」を明らかにしなければならず、薬売りは妖異の背景にある人の情念や怨念を探らなければならない、という設定が面白かった。
大奥といえば、奥でいじめがあると井戸に身を投げる人が多かったと聞くが、『モノノ怪』のコンセプトが、
「人の情念や怨念がアヤカシ(妖)に取り憑くと、人に災いを成すモノノ怪となる」ということなので、女の恨みや情念が渦巻く大奥だから、舞台にするにはうってつけの場所だった。

映画の大奥編は3部作になる予定とのこと。
こういう世界観は好きなので、自作品も楽しみです。
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