ロアー

ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界のロアーのレビュー・感想・評価

3.0
ディズニー作品が大好きだからこそキツい感想になってしまう。
「ラーヤと龍の王国」を観た時、ディズニー作品がより高みに到達した気がして感動した分、同じ監督&脚本と言う製作陣でこうも残念な映画が出来上がってしまったことにむしろ困惑してます。

最初の方は「ディズニー版の過激じゃない『メイド・イン・アビス』って感じかな?」(知ったかしたけど『アビス』良く知らです)なんて思ったり、マシンのビジュアルにジブリっぽさを感じたりしつつ、「ディズニーなら間違いない」という過信で余裕をこいてたんですけど、後半、どんどん怪しくなる雲行き・・・何が問題って、この映画を観た後の気持ちが道端に貼ってある「地球を大切に」ってポスターを通り過ぎ様にちら見した後の気持ちと同じ程度でしかなかったこと。

環境問題という大きなテーマを盛り込んでいると気づいた時、なかなか過激な主張をぶっ込んで来たと思ったのに、なんていうか問題提起しておいて最後は急にリベラルな優等生面してお茶を濁して終わった感じがしちゃいました。
主人公の息子がゲイだったりペットが3本脚だったり「僕たち私たちポリコレやSDGsのことを考えて映画作ってます」って感じにいろいろ手を出し過ぎて、逆に全部上っ面だけに見えてしまった気がする。

ディズニーという立場で過激な主義主張は御法度なのかも知れないけど、それにしてもぬるかった。
それとも、頭の固い老害たちの言うことを素直に聞いて作った映画がこれです、っていう皮肉?
どうしてこんなことになったのか深読みして色々考えちゃうんだけど、ディズニー映画はそういうの何も考えないで観たかったし「ラーヤ」のような泣けるほどの感情を与えて欲しかった。書けば書くほどただの文句になりそうなのでもう黙るけど、とにかく残念。
ロアー

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