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野いちごのmikuのレビュー・感想・評価

野いちご(1957年製作の映画)
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死に取り憑かれた老人。他人と関わることは相手のいないところで悪口を言うことだ、と語り、孤独の中に生きてる。生きながら死んでいる。その老人が、何もありがたくも思っていない名誉博士号をもらいに行く道中、居た堪れない記憶を掘り起こされ、自分の無慈悲さに気がついていく。生きるということは即ち死ぬということ。死に向かいゆく老人が、自分の生きている内のあり方を見つめ直していく。あんな怖い夢見ちゃったら、否が応でも頭のなかに死という観念がこびりついてしまうよね。思いやりのなさが罪なら、わたしも孤独という名の罰を受けなければならないと思ってしまうよ。
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