このレビューはネタバレを含みます
長きに渡って医師として活躍し、結婚をして、子供は自分と同じく医者になり、沢山の人から尊敬され、大学から名誉博士号を与えられたイーサクは、明らかに幸福な人生を歩んできたかのように思える。
しかし、イーサクは孤独を抱えていた。
一番近くにいる存在である家政婦と家族が、彼のことを嫌ってはいないまでも、どこかよそよそしいのである。
ついには、義理の娘に、エゴイストと言われてしまう。
イーサクが見る夢は、彼が内奥で抱えていた後悔や自己欺瞞を暴くものである。
いくら世の中で認められて、幸福な人生を歩んでいると思われても、後悔や自己欺瞞を抱えていては、やはり、何処かで無理がくるのであろう。
常に自分の人生を点検する癖をつけておきたいなと思った。