このレビューはネタバレを含みます
壮大なラブコメ・ファンタジーの中に迫力満点の殺陣もあってすごいボリューミーな映画だった。音楽は佐藤直紀さんなので、壮大なものを想像してたらストーリーの中にも出てくる南蛮の要素が混ざった優しい曲が多く、偉人ではなく2人の人間のラブストーリーというのを助長してた気がする。
初夜のキレッキレな動きからのギャラリーによる勘違い、侍女のダジャレやアドリブコントですか?と言いたくなる貢物のシーンなど前半でラブコメと見せかけて、一般人に襲われ容赦なく人を殺していくシーンから急にその時代を痛感するほぼ運で生死が決まる話に変わっていきすごい緩急。
女子供も殺してしまえと言うほどの魔王っぷりは、トップに立つたくさんの仲間の命を預かる恐怖を見ないようにする為なのかなと思ったけど、そのせいでたった1人の赤ちゃんの命にいつまでもうなされたり、弱さの裏返しの強さみたいな表現が印象的だった。
見栄えばかり気にするかっこつけな織田信長という設定は面白いけど、前半の名家(?)に生まれながら明らかに下品な動きや口元や手・脚の動きだけ今っぽいというかザ・キムタクという感じな所だけどうしても気になった。
その一方で馬に乗る前に毎回馬を撫でたり愛しむ仕草は当時あったのか分からないけど、素敵だなと思った。
伊藤英明、中谷美紀、市川染五郎のどこまでも上の人を守るという覚悟を感じるキャラクターもかっこよかった。