すいませんでした。
このク○ダサ……いやワールドワイドな展開を期待した題名を見てずっと今作は山﨑貴監督作品だと思っていました。
まあなんだかんだ言ってもキムタクの信長はなかなかハマっていたのではないでしょうか。
キムタクが20代の頃にやったドラマ版もかなりハマっていた様に記憶しています。
当時濃姫を演じた中谷美紀が今作は侍女として出ているのも当時のファンには嬉しいのではないでしょうか。
家康や秀吉に比べると信長って時代時代で意外にイメージが変わっている印象です。
勤王家であったり残虐であったり既存の権力の破壊者、革新的、超人的な先見の明の持ち主だったりと。
それらの複合と。
近年は行動力のある手堅い秀才タイプで既存の権威は割と大事に扱う感じになっているみたいですね。
そういう意味で今作の見栄えにばかりに気を使う空っぽな男。
濃姫と2人で1人の織田信長というのはまあまあ斬新で今っぽくていいんじゃないでしょうか。
この上映時間の長さなのに織田信長の人生の早回しダイジェスト感があり内容がスカスカでした。
歴史のうねりや社会制度のダイナミックな変化などは感じられず個人の思いや惚れた腫れたで全てが動くので凄く狭い世界の物語に感じました。
それにしても昔のラブコメじゃないんだからいい大人が何十年も「好き」「嫌い」「やっぱり好き」とかやってんじゃないよ。
予算の問題もあるのでしょうが合戦シーンのダイジェストぶりは不満です。
邦画あるあるなメイクばっちり栄養たっぷりの不治の病のヒロインを今作で見られると思わなかったです。
劇中の信長のエピソードはかなり古典的。
昔ながらの織田信長の逸話でした。
謀反理由が通説の反対の「こんなの僕の信さまじゃない!」的なヤンデレ明智光秀は良かったですね。
脚本が同じの大河ドラマ「どうする家康」も信長×家康のBL感覚満載なので、こういう路線好きなんですかね。
現時点でイヤな予感たっぷりの大河ドラマですが今作を観てさらに不安が募りました。
キムタクと綾瀬はるかのコンビの化学反応がもっとあれば良かったのですが……
ちょっと今作の濃姫はあまり好きになれないと言うか、劇中の信長と同じく「お前が言ったんやろがい!」とは思います。
あの血塗れラブシーンはてっきり2人の行く末がたとえ血塗られていても2人で行くという決意シーンだと思っていました。
延暦寺焼き討ちにノリノリな光秀は最近の光秀像に近いですね。
全体的に間延びする割にスカスカの映画という印象でした。
正直、キムタクが信長からジャック・スパロウにクラスチェンジするエンディングにしてくれた方がまだ語り甲斐がある作品になった気がします。