矢継ぎ早に流れる60年代サーフロックのサントラに高速観覧車と見世物小屋の叫び声が重なり、日が沈みかけた儚いカーニバルの灯を傷ついたフィルムで見る、モンド的な面白さ。奇形嫌い女の物語はどうでもよく、移動遊園地の記録映像にフリークスの適当なリメイクがオマケにくっついてるみたいな。カーニバル映像は資料的価値が高いし、延々と映される設営風景は退屈せずぼーっと見るには最高。その場の空気もたっぷり含んでる。

脚本・製作のデヴィッド・F・フリードマンの移動式カーニバルへの憧れが結実した作品。
トッド・ブラウニングの『フリークス』のリメイクでもある。
4Kリマスターで観る当時のカーニバルの風景が素晴らしくカラフルで、フィクションのドラマは入るが設営風景や客の遊ぶ雰囲気が随所に盛り込まれたドキュメントでもある。
ハーシェル・ゴードン・ルイスの『2000人の狂人』も参照。
見世物小屋のキャラクターは蛇を操る女、剣を飲み込む男、火喰い男、バーレスクショー、ギーク=オタク（ここではヘビ、ニワトリ、げっ歯類などの生きた動物の頭を噛み切るパフォーマーとのこと、実際にそのシーンはない）。
ストーリーや演技よりもロケーション、音楽、タイトルデザイン、ポスター、特殊メイクなど全体を取り巻く諸々が秀逸。