filmoutさんの映画レビュー・感想・評価

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アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

3.9

大学生の頃、初見でシャーリー・マクレーンに熱狂した。
ぶっきらぼうにエレベーターにいるのが可愛くてVHSを巻き戻して序盤を何度も見返したんだった。
後に三谷幸喜がビリー・ワイルダーを繰り返すことに辟易
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悪を呼ぶ少年(1972年製作の映画)

3.6

このスケールの小さい村を気味の悪い子どもが縦横無尽に走り回り人がバタバタ死んでいくというヤバさ。
画が少しぼんやりしているところにこの子の精神状態が現れている。頻繁に割られるカットで序盤から違和感を与
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

4.1

何から言えばいいか分からんがとにかく良い。
ひろしの回想シーンは良い意味でズルいし悪役のしっとりしたテンション、アクションのダイナミックさ、シリアスなのに能天気と見どころが多い。
あと野原しんのすけこ
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アントラーズ(2021年製作の映画)

3.7

アメリカ先住民の神話「ウェンディゴ」が土台。
ウェンディゴの件は普通に調べるだけで面白い文化だがこの作品は先住民の怒りに満ちている。
となると終わり方にちょっと疑問があるが小さい村でミニマルに巻き起こ
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.7

バクラウとかと似た感じ。
世界的に格差が拡大しててそう遠くない未来のよりネガティブなバイアスでの想像に見える。
描かれてはいないがここで悪役っぽく描かれる市民の方もこれまでに散々な目にあってきたと予測
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

第一次世界大戦に突入していく辺りを改めて学び直しているので漸く鑑賞。
カットなし(のように見せる)ことで観客に同じ体験をさせるというのもあるが、110分で語るためシーケンスごとの移り変わりによる不自然
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.1

10年ごとに再鑑賞している気がする。
初見とも2回目とも違う印象の残り方。

構成の独特さは今でも新鮮に思えるが(基本毎回忘れるので)、こんなにハードボイルドな照明だったっけ。まあまあ適当に撮っていた
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インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

3.9

冒頭の展開の速さ。
設定が設定だけに100分程度で収まっているのが奇跡的に思える。ゆえに結構把握しづらい語り口だとは思うけど屋上のカットは至高だった。
何が良いってトニー・レオンがやっぱり良い。たまに
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シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.8

こういうのを見ると作家にとって大きな軸になるテーマは変わらないんだなと思わされる。

スコセッシ作品はほとんど長尺だけどモンタージュや反復によってそこまでの長尺には感じない。ジャンプカットは分かりやす
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X エックス(2022年製作の映画)

3.9

前日のロケ撮影の熱冷めやらぬ間に、その熱を持続すべく見て自分の中に元々ある映画撮影への欲望が湧き上がる。
音声担当としてクルーに参加している少女の現場を見て昂ぶる気持ちとか、RJのカメラを持つこと(視
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この庭に死す(1956年製作の映画)

4.2

ブニュエル作品の恋愛描写はいつも唐突でドライ。

初期と晩年のビジュアル的なシュルレアリスム要素は少なめだが、突き詰めていくとこうやってゴロゴロと転がるように絶望と極限が展開していくことは生きていると
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逃げた女(2019年製作の映画)

4.0

会話中、カメラが独特なタイミングでズームする。映画の技法ではクロースアップやズームはその人物の感情をダイレクトに伝える方法として一般的に使われるけど、この作品ではそれが個人のダイレクトな感情と言うより>>続きを読む

トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.6

皮肉が入り組みすぎると複雑怪奇になってビジュアルがぶっ壊れる、を地で行くヴァーホーベン。
おばさんが狂うタイミングの悪さやとにかく極限状態で眼球飛び出させとくのとかもはや嘘か本当かなんてどうでもよくな
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黄線地帯(イエローライン)(1960年製作の映画)

4.1

吉田輝雄と天知茂という両極端で魅力的な二人を見るとどう見ても天知茂派!とか思ってしまって澁澤龍彦や美輪明宏がファンだったのも頷ける。
中川信夫の『地獄』も同年で同じくめちゃくちゃだったが、石井輝男のこ
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血は渇いてる(1960年製作の映画)

3.8

まともな人間が一人も出て来ない。
主人公の木口はただのニヒリストでもなんでもなく現代で言う自己愛性パーソナリティ障害っぽさがあり、故に普段の小ぢんまりした言動とは裏腹にポイントで劇場型へ変貌する。
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ディナー・イン・アメリカ(2020年製作の映画)

3.8

アメリカの抑揚のないコメディで、緩やかでありつつも生々しい下ネタに若干引きながら堪えて見る価値はあると思う。
差別的なジョークはありながらも結果的にそれらは皮肉として作用し、カタルシスへ移行するからだ
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散歩する霊柩車(1964年製作の映画)

3.9

不謹慎で痛快なブラックジョーク。
序盤から独特なショットの連続でシリアスとコミカルを軽妙に行き来する。監督の佐藤肇の事は知らんが、、、と思ったけど『黄金バット』も『吸血鬼ゴケミドロ』も観ていてなるほど
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トラック29(1987年製作の映画)

4.2

初期ゲイリー・オールドマンのクドさ、オーバーアクションが全開。
思春期の頃、流行りの『LEON』を観た時に絶望的にカッコいいと思ったがその後遡った『シド・アンド・ナンシー』で胸焼けした。
本作はその『
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赤い影(1973年製作の映画)

4.5

ニコラス・ローグは日本未公開の『錆びた黄金』を観てからあまりに退屈で敬遠していたけど、この作品はすれ違う夫婦と勘違いによる思い込みがしっかり映像として語られている。
物語としても曖昧で靄がかかったよう
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.5

この監督は着想を得た原案や記述にかなり忠実なんだろうなと感じる。
『ウィッチ』では魔女の民間伝承、本作は『白鯨』や灯台守の日誌。忠実というかその時代、その環境に置かれた人々の生活と信仰からその人たちが
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ウィッチ(2015年製作の映画)

3.7

誰が魔女なのかとかケイレブがなぜ死ぬのかとかそういう理屈があんまり描かれておらず、サブタイトルにあるように作品を民間伝承として描く事に徹底している。
魔女という概念は一神教であるキリスト教で起きた性差
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

4.0

近年のカウリスマキ作品よりだいぶシンプル。
小津×バスター・キートン×ノワール(ハードボイルド)×移民問題で一貫して変わってない。

後半物語が展開していくところよりも失職して絶望するまでの淡々とした
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

監視社会にまともにとりあうなんてやってられないね、とも思えるし猿(人間 -人種差別的-)とはちゃんと目を見ないと意思疎通できないよ、にも取れるが。
エンタメ、映画という体験においてはもはや最高、めちゃ
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スターシップ・トゥルーパーズ(1997年製作の映画)

3.9

徹頭徹尾、全体主義にナチズムにマッチョ、プロパガンダで細かい部分まで皮肉に満ち溢れている。
清々しい。
ヴァーホーヴェンが描きたいのはそういうアホらしさであってもはや虫のことなど全然関係ないとすら思え
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アス(2019年製作の映画)

3.4

生きていると成長過程で自己を認識していき葛藤が生まれアンビバレンツな思考や問題に直面することも多い。
本作の行き着くオチがどちらであっても自分としてはそういう表現と捉えている。
要するにそうやって生き
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.4

ハラハラ、緊張感はあって楽しめたが、序盤で呼吸が聞こえてるのか聞こえてないのかその辺の機微がよくわからない。「家主が中盤から集中力を研ぎ澄ませたので敏感になった」と思い込む事で補完すればいいんだけどね>>続きを読む

殺人者(1946年製作の映画)

4.4

冒頭、ダイナーに殺し屋が入ってくるシーンからもうこの昔ばなしのようなお決まりのノワール調とでも言おうか、後のフィルムノワール憧れの作家たちで散々繰り返されるシーンが最高も最高、そこから興奮して没頭した>>続きを読む

肉体と幻想/肉體と幻想(1943年製作の映画)

3.6

タイトルは『肉体と幻想』(原題:Flesh and Fantasy)だがどちらかというと肉体と妄想という印象のオムニバス。

一話目のベティ・フィールドの話、1940年代の感覚だと今の感覚とだいぶ違う
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ブードゥーマン(1944年製作の映画)

4.0

ベラ・ルゴシ、ジョン・キャラダイン、ジョージ・ザッコってキャストが結構豪華なくせに全体的にめちゃくちゃ緩い。
牧歌ホラーの割には何故か全然中だるみもせず(60分程度だから当然か)尺と内容のバランスが良
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らせん階段(1946年製作の映画)

3.7

かなり面白いが大きい屋敷の密室劇という点において無理があると感じる部分が多かった。
が、カットでなくカメラの動きで次のシーンへ展開していく流れなんかはこの時代にこんなに滑らかにスムーズに語れるなんて感
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哀愁の湖(1945年製作の映画)

3.8

湖での殺しのシーンを見るだけでも価値がある。
そのシーンだけ特徴的な目を隠すためにサングラスをかけるジーン・ティアニー。

ノワールとされているサスペンスだけどどちらかというとサイコ的で独占欲や自己愛
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デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)

3.5

イーライ・ロス、ゴア描写辞めた宣言の後とは言え殺しのシーンはしっかりゴアで良い。
特に車で潰すところ。
ブルース・ウィリスにしてはまあまあ辿々しくて新鮮だし、密猟者を追い回すお義父さんがまた出てきてほ
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.9

自戒も込めつつ言えば、自分の周囲には結構いるタイプの人物像なので親近感すら湧いてきてしまった。
この映画はクライマックスを迎えた後スッパリと終わらずその後もダラダラと少し続くのが良い。そうやってワンダ
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テルマ(2017年製作の映画)

3.6

『わたしは最悪』の監督が誰なのか調べていたら本作の監督だったので鑑賞。
かなり表現主義的なんですね。
北欧で名前も同じだしラース・フォン・トリアーっぽさを少し感じると思っていたら遠い親戚との事。

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ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

3.9

サイコ映画かと思いきやサイコ映画。みたいな、見ている方の感覚が劇中で宙ぶらりんになりながら映画のジャンルが変化していくような内容。
スピルバーグの『激突!』に憧れる中で絶妙に破綻して行き、同性愛を匂わ
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

3.8

22年ぶりくらいに見たかもしれない。
初見ではインダストリアルノイズロックとこの乖離した精神異常的な世界に喰らってサントラを買って延々と聴いていた。
その後ラムシュタインにまでハマってしまった。マリリ
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