オールタイムベストの一本。
人生を変えた一本。
今言語化するとしたら。18歳で広島の田舎から単身大阪へ移住したときの心細さをアリスに、漠然とした将来のモラトリアムな、しかも反骨精神だけは立派な状況を>>続きを読む
冒頭の俯瞰ショット。コートで1on1してるときのボールの動きで「あ、こりゃやばい」と思ってその感覚がラストまで続く稀有なパターン。
ミドルやアップで集中する登場人物の息切れは井上雄彦の漫画から感じる臨>>続きを読む
高低差のあるY字路の伏線。
ラストの迫りくる二択を確実にまともと思える方に導いたシンプルな構成に脱帽。
誕生から死ぬまでの平均的な人生を子供向けのソフビやバービー、プラスチック人形で描いている。
ラドゥ・ジュデのデビュー作『The Tube with a Hat』は貧困な親子をセンチメンタリズムに陥る>>続きを読む
ルーマニアのラドゥ・ジュデによるデビュー短編。
天気の悪い日にぬかるんだ地面を街までテレビを直しに行く親子。こんな雨降ってたらもう絶対直らんだろと思うが。
ただ貧困を含め彼ら親子のただただ生きる様>>続きを読む
目黒シネマでダニエル・シュミット特集をやっていたので「久々に『べレジーナ』が見たい!」と駆け込み。
上映前の劇場スタッフさんのコメントで2001年が初公開と聞いて、あの時梅田から中崎町を通って扇町ミュ>>続きを読む
黒沢節ではあっても主要キャストの演技に漂う朝ドラ感が終始気になる。
それでも古いフィルムを使ったトリックの振り幅が巧妙で、相変わらずゾッとはするしクラシック映画好きを突いてくる演出もニクい。
町田康が少年のように若い!
撮影がトム・ディチロ!
80sのアナーキーな空気感がよく捉えられている。
ペルーの山岳地帯知らなすぎてピンと来なかったが。
守護聖人を敬いながらも漂ってくる村人の疑念が冒頭の鍵穴視点にあって、元々あった原住民的なDNAとスペインの侵略によるカトリック信仰の混在が見える。
カ>>続きを読む
光と影と音による後ろ暗さの表現が秀逸でずっと興奮気味だった。文字通りの明暗と現実の地獄。
「真面目に生きる」が崩壊しているさまを淡々と見せられてボーっとずっと面白い。黒沢清作品の中では分かりやすいけど>>続きを読む
月に何度も映像を作らなければいけないとき、コンテを描いているときに、やはり頭の中で考えられることは限界があると外に出て、黒澤明のように足で脚本を書くと言ってうろうろしながらそれでもシュルレアリスムだと>>続きを読む
サナトリウム、死、シームレスな夢、それだけで好きな要素が詰まっている。
ポーランドのトラウマ。
Blu-rayでリマスター、音も良くて幸せを感じる。
TOHOシネマズ新宿のドルビーで。音が凄いのでずっとビックリしていた。SuicideやSilver Applesがあの音響で聴けるのが心地よいなと思いながら、演出としてポップミュージックの挿し込まれる>>続きを読む
ケン・ラッセルは最高だ。別にこの映画は面白くないと思う。ずっと錯乱している。
25年前、大阪千里丘のツタヤにVHS10円レンタルというコーナーがあってその中に『カリガリ博士』や『狂ったバカンス』と一緒>>続きを読む
ロングショットが常に恐ろしく、兄弟がフレームに映るたびにストレスを感じた。
事実ベースとは言えフィクションだが、演出とカメラの関わり方にも比重が置かれているし中盤で主人公が入れ替わる構成も飽きないし、>>続きを読む
1999年に梅田にあった北野劇場で誕生日に見た記憶がある。ネットで調べると緞帳が連続したクルーネックTシャツみたいな形のひだひだのやつだったと思い出してこういう映画館が好きだったなと。
18歳から3>>続きを読む
詩的に章立てて語られるので事件自体は分かりやすい語り口。
中盤に見られるジネプロの中国雑技団ばりのアクション。
ロッセリーニ、見れば見るほどネオレアリズモという一括りで語るにはもったいなすぎてもっと>>続きを読む
加藤晴彦よりも有坂来瞳が懐かしすぎる。
普通に見てると結構怖い。
店長?の割とドライな人間関係の希薄さが、一見冷たそうに見えはしても印象的だ。
ホラー、シネフィル、B級カルトをなだらかに揺れ動きながら>>続きを読む
黒沢清然としたサイドショットの人物トラッキングによる映画特有の醍醐味、モンタージュのリズム感、ラストの同一フレーム内に起きる情報量の多さ、B級カルト殺人。
物語と技法が高度に連結していてずっと気持ちい>>続きを読む
こんなに好きな人ばっかり一本の映画に出られたら困る。
クリストファー・ウォーケン、サム・ロックウェル、ウディ・ハレルソン、ハリー・ディーン・スタントン、トム・ウェイツ。
コリン・ファレル演じる脚本家>>続きを読む
メアリー・シェリーの体験と記憶を彼女の小説と混ぜたような話。
ランティモス作品にしてはあまりに描き過ぎで分かりやすすぎた。。。
蘇ったベラが社会の悪習や倫理に女性性という観点からも疑問を抱きながら人>>続きを読む
舞台は現代のイギリスだけどこのカトリック信仰そのものな感覚は1世紀から16世紀くらいまでを要約するほど密度が高く、主人公のモードが暮らす部屋の簡素な間取りはプロテスタント的にも見える。彼女の孤独と神か>>続きを読む
主役のイングリッド・バーグマンの言動にスピード感があり、夫や母は翻弄される中、かなりあざとい博愛主義への転換に見える(「君はアカか?」と問われるシーンもある)。ロッセリーニ自身はインタビューで「これは>>続きを読む
文字通り雲を掴むように不明瞭で広範囲な位置からポイントを突く。ダウジング、音程、雨漏り、いなくなった恋人。
冒頭の咳からキメラ発動の体調不良まで含めて現実の中の朦朧を感じる。
主に35mmで撮られてい>>続きを読む
60分の中編、ではなく長編のMVではあるがプロモーションだとしてもショットは抜群。
黒沢清のただじっと見ているようなショットは心地いい。
全体的にヤバい感じが漂っているが監督の好きなRKOホラーを彷彿>>続きを読む
領域を侵し合う戦争のメタファーの側面を持ちながら曖昧と葛藤が揺れ動く悲劇的コメディとして描かれる。
じいさんの「もう嫌いになった」という言葉は簡素だからこそ強度を持つ反面、意外にも本人の精神状態は平坦>>続きを読む
トム・クルーズらしくなくスピルバーグっぽい内容でめちゃくちゃ面白い。『激突!』でも『ジョーズ』でもディスコミュニケーションが起きて得体の知れない敵から逃げなければならないのは同じ。ユダヤ人的な迫害の歴>>続きを読む
当時の目線では確かに戦後を生々しく切り取ったドキュメント的で現実的な、善悪やモラルの倫理性に振り回されず「それでもただ生きていく」と、ネオレアリズモであると、そういう評価をされたのは理解できる。
広島>>続きを読む
イタリア海軍省の出資でロッセリーニが作ったプロパガンダ映画。プロパガンダの時点で出資者の力や立場を誇示するものになっていそうだが、実際の海兵、看護師を出演させながらフィクションの方向性は微かなロマンス>>続きを読む
全部長回しの圧巻ショット群ながら物語は徐々に観念的な方向へ溶けていく。フィルムの時代にワンショットずつこんなに長回しして、1フレーム目と最終フレームはかなり移動しているのにピントはズレないしカクつきも>>続きを読む
序盤は富士丸の殺人に対する理由や動機があるように見えるが、徐々に実存主義的な問いを抱えながらも殺しに対しては超愉快犯になっている。ホラーとしても一つ一つ方法が違うのは見どころだけど登場人物のほとんど上>>続きを読む
この間『書かれた顔』を見たばかりなので坂東玉三郎の女形も受け入れやすく違和感だらけの映画なのにそんなに違和感を覚えず。
原作は泉鏡花の戯曲。音楽が冨田勲で美術に粟津潔の名前も。
急に蟹や鯉、なまずが>>続きを読む
ブロムカンプの近未来でありながら治安が悪く崩壊気味である世界観に味を占めていてめちゃくちゃ好きというわけではないながらも癖になる。
恐らくドキュメントタッチの手持ちカメラワークとVFXの親和性が抜群で>>続きを読む