医師のテフンの幼い息子がある日突然、原因不明の肺疾患により重篤な状態に陥り病院に運び込まれた。
その直後、妻も倒れ息子と同じ肺疾患により帰らぬ人に。
原因を突き止めようとするテフンは同じ様な症状で亡くなった人たちが数多くいることを知り、それがとある企業の加湿器に使われる殺菌剤が原因なのではないかと疑惑を抱くが…という2011年に韓国で実際に起きた事件を基にしたお話し。
隠蔽、保身、拝金、無責任。
法は常に公正なもの。
でもそれを執行する者たちが公正でなければ法は正常に機能しません。
そしてその法は“強い者”たちによって簡単に機能不全に陥ってしまいます。
本作でも引き合いに出されている日本の水俣病もそうですし、薬害エイズ事件も歴史的な大きな事件でした。
それらだけではなく今でも日々、政府や企業による隠蔽が明らかになり、責任者は責任を回避すべく保身にの為の発言を繰り返していて、そういった人たちを見ていると結局何も変わらないのかと暗澹たる気持ちになります。
一般市民の苦しみは強者により簡単に一掃されてしまいます。
しかし一般市民の声は僕たちが思っている以上の強さを持っています。
時にそれらが腐敗した政府をひっくり返したり、戦争を停止させる事もあります。
声を上げる事。
その大事さと重要性をこの作品から感じました。