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The Fellowship of the Frog(英題)
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『The Fellowship of the Frog(英題)』に投稿された感想・評価

イタリア・ジャッロ映画のルーツとされるドイツ・クリミ映画群の最初の作品。題名は「マスクを被ったカエル」の意味。原作は英の人気スリラー作家エドガー・ウォーレス。監督は「怪人マブゼの挑戦」(1961)のハラルド・ラインル。日本未公開。

※ドイツ・クリミ映画
1960年代前半ドイツで大ブームとなった白黒の犯罪映画群。原作は全てが、「キング・コング」(1933)の脚本でも知られる英作家エドガー・ウォーレスの犯罪小説で、30本以上が製作された。クリミ=クライムの意味。監督は

ロンドンでは「マスクを被ったカエル」と名乗るギャング集団が連続強盗事件を起こし街を恐怖に陥れていた。潜入捜査官も惨殺され敏腕エルク警部にも解決の糸口が見えない。そんな中、ロンドン警察長官の甥リチャードと執事ジェームズは独自に調査を開始、「カエル」と何らかのかかわりを持つ謎の紳士ジョン・ベネットと息子レイ娘エラを監視し始める。。。

ジャッロ映画の本質が知りたくてルーツであるクリミ映画を鑑賞。

皮手袋をした謎の犯人、派手な殺しのシーンと、確かにジャッロ映画の要素が確認できた。映像はフィルム・ノワール的だが人間の内面的な暗さは追及しない。ビジュアルと外連味を利かせた犯罪エンターテイメントな趣が強かった。ハラルド・ラインル監督作の中では怪人マブゼ・シリーズが雰囲気が近いと思う。

そして本作の場合は謎の“カエル怪人”アイコンになっているため、乱歩の「怪人二十面相シリーズ」を連想した。なるほど今更気付いたがクリミ映画(→ジャッロ映画)と江戸川乱歩の犯罪モノには共通の美学がある。今後ジャッロ映画を観るときは意識しながら鑑賞しようと思う。

テンポ良く次々と場面が切り替わり映像もある程度の完成度を満たしている。二枚目でヒーロー然とした主役、ロボットのような執事などそれぞれのキャラも立っている。シナリオには少々強引なご都合主義も感じたが、終盤には意外な種明かしが2パターン用意されていてなかなか楽しめた。

※同時期にロジャー・コーマン監督が「アッシャー家の惨劇」(1960)からスタートしたエドガー・アラン・ポー怪奇シリーズは基本がホラーなので色合いが異なる。

ドイツ・クリミ映画は殆どが日本未公開の上ソフト化も配信もされていない。本作を観た限りなかなか楽しめるプログラム・ピクチャーなので、日本版の傑作ボックスを発売してほしいものだ。
仮面のカエル

原作エドガー・ウォーレス
ドイツのクリミ映画シリーズ1作目