キリコ

バーバリアンのキリコのレビュー・感想・評価

バーバリアン(2022年製作の映画)
3.5
恐怖の元がわからないところ、主人公が交代するところは『サイコ』っぽいかも。

前半は質が高い恐怖。ビル・スカルスガルドの過剰なほど親切・ハンサムだけど、ギリギリ犯罪者でもおかしくない顔つきがフックになっている。キャリーケースから『ジェイン・エア』が出てきたのを見て、「本当にいい人だったんだ……疑ってごめん……」ってなった。
シチュエーションとしてはラブストーリーが始まってもおかしくない(雨の中安宿に着いたら中からイケメン好青年が!こちらの警戒を当然のものとして受け入れつつ真摯な対応!実業家で話がおもしろい!寝室でちょっといい感じな沈黙が生まれても手を出してこない誠実さ!)のに、例えば紅茶やドラム式洗濯機や鍵の撮り方で不穏に感じさせてくるのがおもしろかった。

以降はジャスティン・ロングの動きがコメディ寄りなのもあり、オモシロホラー気味。不審な痕跡を一切意に介さず、地下室の広さをメジャーで測りまくるシーンがシュールで楽しい。
終盤はやや冗長。
キリコ

キリコ