にしくん

ブロンドのにしくんのレビュー・感想・評価

ブロンド(2022年製作の映画)
4.0
マリリン・モンローとは永遠に"消費され続ける"セックス・シンボルなのか?華やかな世界という張りぼての世界にひたすら消費され続ける彼女の姿はあまりにも残酷で胸くそ悪いが、これが現実であったのだろう。
ノーマ・ジーンは常に自分を愛してくれる父を求めていたが、誰もそうはなってくれなかった。マリリン・モンローのことは誰もが愛してくれるのに、ノーマ・ジーンのことは誰も愛してくれない。欲望のままに体を求められ、心をズタボロにされ、それでも本当の意味で誰も自分を愛してくれない。そういう意味ではマリリン・モンローはハリウッドに消費され、そして殺されたと言えるかもしれない。
アナ・デ・アルマスはかなり難しい役をよく演じたと思う。世界中の誰もが知る女優の影の部分、既にマリリンを演じた人間もいて比較されるのは避けられない中で、マリリン=ノーマの孤独も傷をうまく演じていたと思う。
かなり長い上映時間で、憂鬱な物語だし、好みははっきりと別れる作品ではあるが、僕は割りと好きだった。
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