クレイジークルーズのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

「怪物」が力作だったので、気分転換に書いた感がある坂元裕二。坂元作品だと思って観ると肩透かしを喰らうが、三谷幸喜を意識している時の古沢良太だと思って観たら納得。回りくどい例えだな。

良いとこもあるし惜しいとこもあるストーリーを置いといて、あまりに宮﨑あおいが可愛いのでそれだけで元は取れる。どう冷静に観ようとしても評価軸が狂うレベルの可愛さ。吉沢亮、何回かガチ照れっぽい表情してたけどそりゃそうなるわ。最強に可愛い。

ストーリーに関しては、本当に坂元裕二ぽくはない。そして本格ミステリを期待するとズッコける。表面上は三谷or古沢風にカリカチュアされたキャラ達のコメディ。その実「見ないフリをする」「自分が良ければそれで良い」日本人への風刺だったりするんだが…アレだな、表面的なコメディ要素が結構寒いし、風刺部分はそもそも気持ちの良いものではない現実を、あまり濾過せずに出された感じ。安田顕と高岡早紀の少年に対する仕打ちとか、単純に不快。殺人事件の真相は、(少年の為にも)ヤスケン夫妻の娘を不幸にさせるわけにはいかない…ってことなんだろうけど、結果夫妻に報いがないようでモヤモヤ。

宮崎あおいと吉沢亮が最高！で満足できちゃうんだけど、でもそれだけで良いのかと苦言は呈したくなるところ。小ネタが散りばめられた会話はフフッてなるはなるんだが、「大豆田とわ子」みたいな地に足着いた物語の時の方が洒落てて面白いよね。

あと多分、これの本書いてた時はまさか自分がカンヌ獲ると思ってなかったんだろうな。「カンヌ獲るような映画が良いんだ！！」と連呼するの、自虐ネタの予定だったかもしれないんだが、獲っちゃったので嫌味っぽくなってる笑。それを言ってるのが永山絢斗なのでまた…「じゃあ大麻やめろよ！！！」ってツッコんじゃった笑。